11年6月中間期はコア利益39%増、新規受注は7月までに230億HKドル

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03311 中国建築国際(チャイナ・ステート・コンストラクション)  6.45 HKD
(08/22現在)
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中国建築国際の2011年6月中間決算はコア純利益が前年同期比39%増の6億3700万HKドルと、ほぼBOCIの予想水準を達成し、通期予想の消化率は42%に達した。売上高は同21%増の60億7000万HKドル。粗利益率は10.6%から9.6%に後退した。一方、同社の新規受注は1-7月に229億6000万HKドルと、早くもBOCIの通期予想の80%相当を消化した。BOCIは7-9月に香港でプロジェクト入札が増える見通しや、10月末までに中国本土の「保障性住宅プロジェクト」を追加受注する見通しを示し、通期の予想受注額を288億HKドルから303億HKドルに上方修正した(同社経営陣が示した通期受注目標は300億HKドル)。また、同社の目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

BOCIは新規受注予想の引き上げに伴い、11-13年の利益見通しを1-5%上方修正した。向こう2年間にわたり、新規受注が前年比14%、8%の伸びを示すとみている。同社経営陣は中国政府が進める保障性住宅プロジェクトに占める自社シェア目標を1%に設定しているが、これは建設戸数にして少なくとも36万戸(総建設戸数は5年間で3600万戸)。1戸平均60平米と仮定した場合、年間平均の受注面積は約430万平米に上る計算となり、11年通期目標を130万平米上回ることになる。また、同社は「配当収入」を経常項目に組み込む方針を示しており、これも向こう3年間の利益見通し上方修正の一因という。

同社は1億3500万HKドルの「配当収入」が経常項目に当たると説明しているが、実際にはこの収入は少数権益を保有する住宅開発プロジェクトから得られるもので(主にマカオ、重慶、珠海のプロジェクト)、物件販売時に発生する。BOCIは向こう2-3年にわたって配当収入が安定推移する見通しを示し、同社の新たな収入源となる可能性を指摘した。ただ、この先の収入規模はあくまで、新規プロジェクトの権益保有状況によって変動すると付け加えている。

中国の地方政府債務の不良債権化が懸念される中、投資家の多くは同社のBT(建設・移管)プロジェクトに対する地方政府の支払いが契約通り履行されるかどうかを警戒。ただ、BOCIはこの点を楽観し、その理由として◇同社が財政面で健全な省あるいは市を選択している◇支払いは一括ではなく段階的に行われる◇BTプロジェクトはすべて地方政府の保証付きで、土地など各種資産の抵当が付帯されている――などの点を挙げた。また、保障性住宅プロジェクトについては来年の建設計画が1000万戸から800万戸に削減される可能性が出ているが、経営陣は「仮にそうなっても、11-15年の5年間で計3600万戸との計画に変更はない」との見通しを示している。