コスト増や販売量伸び悩みが懸念材料、下期の粗利益率低下を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00168 青島ビール(チンタオ・ブルワリー)  48.15 HKD
(08/16現在)
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BOCIは青島ビールの2011年4-6月期純利益が予想を上回ったとしながらも、販売管理費の抑制が寄与したとの見方を示し、決算内容に特にポジティブサプライズはみられなかったとしている。また、低調な7月の販売統計、まもなく迎える需要ピーク期の終了、生産コストの増加、低価格ブランドの販売比重拡大などを指摘し、下期の業績に対して慎重なスタンスを維持した。予想を上回る4-6月期純利益を反映させる形で2011-13年の利益見通しを9-10%上方修正したものの、マーケットは下期の収益見通しを過度に楽観しているとの見方。目標株価を引き上げる一方、同社株価の先行きに対して慎重見通しを継続した。

同社の7月の販売量は前年同期比7%の伸びにとどまった。山東新銀麦ビール(Yinmai)の買収効果を除外した場合の自律成長率は1桁台前半から半ばとみられている。ビールの需要ピーク期が終わるのは例年9月。BOCIは下期の販売量の伸びが18%になると予測している。

今年に入ってからオオムギ、コメ、包装材が高騰し、輸入オオムギ価格は1-3月期に1トン当たり350-360米ドルへ40%上昇した(12年1-3月期まで使用可能)。同社はその後4-6月期に製品値上げを実施したが、BOCIはこれだけではコスト増加分を全面的には吸収するには至らないとの見方。また、低価格ブランドの販売比重の拡大も影響し、粗利益率が上期の35.8%から下期には33.5%に低下する見通しを示した。

販売費の対収入比率は4-6月期に低水準にとどまったが、BOCIは向こう数カ月間にわたって販促活動の強化を見込み、販売費の抑制は長くは続かないとみている。また、同社は最近、買収2件を実施しており、これが今後の事業再編に伴う減損損失の計上につながる可能性を指摘している。