業績見通しを上方修正、11-13年に年率35%の利益成長を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00506 中国食品有限公司(チャイナ・フーズ)  6.83 HKD
(08/02現在)
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BOCIは中国食品の全事業部門が予想以上の業績を達成するとみて、同社に対して従来よりポジティブな見方に転じている。ワイン販売の力強い回復や予想を上回る飲料、食用油、菓子部門の堅調を理由に、2011年12月通期の予想純利益を29%上方修正。その後もワイン部門をけん引役とした成長が続く見通しを示し、12年、13年の予想純利益を20%、19%上方修正した。これにより、10-13年の利益成長率が年率35%と、消費者向け食品銘柄の中では最大となる見通しを示している。また、同社株価の12年のPEGレシオが0.85倍と、同業銘柄の平均1.0倍を下回ると指摘。目標株価を引き上げ、同社株価に対する従来の慎重見通しを強気に引き上げている。

同社のワイン販売は1-3月期に好調を示し、その後、5月、6月にはさらに伸びが加速した。同社は販路再編を実施した後、製品ミックスの最適化を目指しており、2011年には「Chateau Sungold」の売り上げが倍増する見込み。こうした中、BOCIは11年通期のワイン売上高に関する従来予想(33億HKドル)が低すぎるとみて、40億HKドルへの上方修正を行った。また、12年、13年についても前年比25%増の47億HKドル、30%増の53億HKドルを予想。さらに製品構成の改善に伴い、粗利益率が前年比3ポイント高の63.3%に達する見通しを示し、ワイン部門の11-13年の予想EBIT(金利・税引き前利益)をそれぞれ8%、26%、29%増額修正した。

BOCIは飲料部門に対しても強気見通しに転じており、従来予想を上回る部門利益の計上を予想している。コスト管理が奏功し、利益率の悪化が予想以上に小幅にとどまるとの見方。深刻なコスト上昇圧力に直面する中、ボトルサイズや原材料の変更を通じたコスト軽減に尽力しており、5月にはコカ・コーラの国内市場向けPETボトルのサイズを600mlから500mlに縮小させた。また、甘蔗糖(サトウキビ)より1トン当たり2500-3000元安いコーンシロップへの甘味料切り替えを進めている。BOCIは通期の部門売上高が約20%伸びると予想。さらに営業利益率に関する11年の想定値を3.4%から5.7%に引き上げ、12年、13年については6.8%との予測を据え置いている。

一方、食用油部門の業績は下期に改善に向かう見通し。食用油(消費者向けパック)をめぐる値上げ制限が解除されたのに伴い、収益性の改善が見込まれることが理由。BOCIは11年通期の予想販売量伸び率を前年比30%に維持する半面、平均販売価格に関する想定値を12%上方修正。政府補助金付き食用油の販売増が響いて上期に低迷した粗利益率が下期に回復に向かうと予想し、部門EBITマージンが0.3%から0.5%に上向くとみている。このほか、菓子部門については赤字削減を見込み、EBITベースの赤字が7700万HKドルから4500HKドルに縮小する見通しを示した。