成長潜在力で同業銘柄に見劣り、新規リゾートの収益寄与は15年以降か

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01128 永利澳門有限公司(ウィン・マカオ)  27.80 HKD
(07/25現在)
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ウィン・マカオはカジノホテル『ウィン・マカオ』1施設のみを展開するカジノ運営事業者であり、VIP客や一般客のハイエンドグループを主要ターゲットとしている。同社は中国本土市場でのVIPマーケティングにおいて成功を収め、2010年にはVIP顧客の増加を追い風としたが、BOCIは2011-12年に新たなカジノリゾートを開業させる銀河娯楽(00027)、サンズ・チャイナ(01928)に比べ、カジノ収入伸び率や収益成長力の点で見劣りするとの見方。現在株価水準に加え、銀河娯楽、サンズ・チャイナ、澳門博彩控股(00880)に比べた潜在成長力の低さを指摘し、同社株価の先行きに対して中立的な見方を明らかにしている。

BOCIは同社がカジノ収入、EBITDA(金利・税引き・償却前利益)マージンなどの点ですでに高水準を達成していると指摘。◇稼働率やカジノテーブル1台当たり収入が高い◇マカオ政府の規制が足かせとなり、13年までカジノテーブル(現在488台)の増設が難しい――ことなどから、同社の成長余地が相対的に限られるとみている。同社のテーブル1台当たりカジノ収入は同業銘柄の中で最も高く、今後も最高水準を維持する見通しという。

VIP客および一般ハイエンド客をターゲットとする同社は今年、全テーブルの53%に当たる260台強をVIP用に振り向けるとみられるが、BOCIはVIP部門の伸びが11-13年に年率23%と、一般客の同25%を下回ると予測している。ただ、その一方でVIPおよびハイエンド分野における同社の強力な集客力を指摘。これが利益やカジノ収入の予想以上の伸びにつながる可能性に言及している。

一方、同社も他社と同様にカジノ市場でのプレゼンス拡大を目指しており、マカオ・コタイ地区の第9区画の取得をすでに申請したという。BOCIは澳門博彩控股およびMGMチャイナ(02282)とともにウィン・マカオが用地取得認可を獲得する可能性は高いとみているが、施設のオープンは15年以降になるとの見方。用地取得やカジノテーブル増設、外国人労働者雇用に関する政府認可が予想より早く下りた場合、13年までに収益貢献を開始する可能性に触れつつも、基本的には15年以降の収益寄与となる見通しを示している。

また、仮に第9区画の取得に成功した場合、設備投資は総額143億HKドルに上る見通し。レジャー施設や会議スペースを併設した床面積480万平方フィートの総合施設が誕生するとみられている。

BOCIは10年に59億HKドルだったEBITDAが13年には103億HKドルに上向くと予想。EBITDAマージンは13年まで28%の水準を維持するとみている。営業利益、純利益については10-13年にそれぞれ23.4%、25%の伸びを示すと予測している。