11年6月中間期に14%増益を予測、予想配当利回りは依然高水準

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00011 恒生銀行(ハンセン・バンク)  122.00 HKD
(07/20現在)
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ハンセン銀行は8月1日に2011年6月中間決算を発表する予定。BOCIは純利益が前年同期比14.4%増、前期比0.1%増の79億6,300万HKドルに達すると予想している。主に貸出伸び率が前期比10%に達する見通しや、利ざやの安定推移、コスト管理効果、信用コストの低水準などが2桁増益見通しの要因。BOCIはHIBOR(香港銀行間貸出金利)ベースの低利率不動産貸付プランを最初に取りやめた同行の利ざや管理能力を評価。中間期の利ざやは1.80%の水準を維持し、同業銘柄を上回るとみている。また、同行は長年にわたってコスト管理面でも成果を上げている。BOCIは人件費や店舗賃料の増大を見込み、中間期の経常費用が前年同期比12%膨らむと予想しながらも、対収入コスト比率は33.5%の低水準にとどまるとの見方。さらに、預金が前期比8.5%増えるとみて、預貸率が約70%の水準を維持すると予測している。

BOCIは2011年、12年通期の予想純利益を3.7%、6.8%の幅で下方修正した。手数料収入の回復ペースが従来予想より小幅にとどまる見通しや、経常費用の増大が予想されることなどが理由。

一方、6月中間期の予想配当は前年同期並みの1株当たり2.2HKドル。香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)が年末までに自己資本基準の強化に動く可能性が高まる中、BOCIは11年の年間配当が前年並みの5.20HKドルとなる見通しを示した。ただ、12年、13年にそれぞれ5.90HKドル、6.60HKドルへの増配を予想。11年の年間配当が5.20HKドルにとどまったとしても、現在株価に基づく配当利回りは4.3%と、依然魅力的な水準にあると指摘している。

BOCIは利益見通しの下方修正に伴い、持続可能なROE(株主資本利益率)、長期の利益成長率に関する想定値をそれぞれ24%(修正前25%)、4%(同4.5%)に下方修正した。ただ、同行の利ざや管理能力やコスト管理能力の高さ、さらに資産の健全性、魅力的な配当利回りなどを指摘。現在株価の11年予想PBR(株価純資産倍率)が3.0倍と、ヒストリカル平均レンジを下回ることなどに触れ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。