テンセントがキングソフトの株式15.68%を取得、セキュリティーソフト事業を強化

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03888 金山軟件有限公司 (キングソフト)  5.00 HKD
(07/07現在)
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ソフトウエア大手のキングソフトとインスタント・メッセンジャー(IM)国内最大手のテンセントは6日、戦略的提携関係を結んだと発表した。テンセントがキングソフトの株式15.68%を8億9200万HKドルで取得する。キングソフトの求伯君・前会長と張旋龍・非執行取締役が保有株式をテンセントに譲渡。テンセントは今後、キングソフトのインターネット・セキュリティー・サービス子会社のキングソフト・インターネット・セキュリティー・ソフトウエアに資本参加するという。長期的な戦略的提携を通じ、両者はインターネット・セキュリティー・サービスを強化した上で、さらにインターネット・アプリケーションソフトやオンラインゲームの分野でも提携の機会を模索する見通し。

BOCIは今回の提携について、キングソフトの長期的な成長に非常にポジティブであると評価。テンセントの資本参加により、キングソフトはテンセントの多様なプラットホームや大規模なユーザーベースの恩恵を享受することができるとし、以下の見方を示した。
◇キングソフトはテンセントの持つユーザーベースおよび製品・技術開発分野におけるリソースを利用し、アンチウイルス事業の成長を促すことができる。
◇さらに、キングソフトはテンセントのマルチプラットホーム上の様々な付加価値サービス(VAS)の利用を通じて利益を享受することができる。
◇提携関係が深まるにつれ、キングソフトはテンセントのプラットホームを利用し、オンラインゲーム事業の拡大を推進するとみられる。中国オンラインゲーム大手のジャイアントが中国未上陸のゲームの国内ライセンスを模索している点からも、同社が今後オンラインゲーム事業をてこ入れする可能性は高い。

BOCIは、キングソフトの株価の先行きを強気見通しに維持している。目標株価はSOTP(Sum of the Parts)方式に基づき11年予想PER16倍、12年予想PER12倍の水準。BOCIは現段階では11-13年利益予想値を据え置いているが、時期をみて見直す方針を示している。