太陽光発電需要の伸びを背景に収益見通しを楽観、年率40%の利益成長を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03800 保利協キン能源控股有限公司(GCLポリー・エナジー)  4.40 HKD
(07/06現在)
 株価
 企業情報
 チャート

BOCIはGCLポリー・エナジーのカバレッジを開始し、株価の先行きに強気の見方を示した。世界の太陽光発電市場では、新規の設備据え付け需要が2015年までに年率21.4%増加し、15年には42ギガワット(GW)に達すると予想。欧州における関連政策の安定化や中国など新興国市場の急成長見通しをその理由に挙げた。GCLポリー・エナジーは川上のソーラーパワー部品部門を上場させてから3年足らずで、結晶シリコンおよびウエハー生産能力で世界トップに躍進した。同社は技術力や経営力、さらに低コスト戦略、顧客獲得能力などを武器に今後も市場シェアを拡大する見通し。BOCIは同社の結晶シリコン生産量およびウエハー出荷量が10-13年にそれぞれ年率62%、108%の伸びを示すと予測している。また、ウエハー平均販売価格が10-13年に39%下落すると予想しながらも、コスト削減策の継続を背景に、同社のウエハー生産コスト全般が29%下向くとの見方。さらに石炭発電事業の安定成長を見込み、売上高、純利益が10-13年に年率42%、40%の伸びを示すとみている。

同社に対する推奨理由の一つは、ドイツ政府によるソーラー発電向けの補助金削減措置の見直しやイタリアの補助金削減時期の延期など。これにより、政策面での不透明感が後退したとし、短期的なソーラー設備需要の回復を予想している。また、中国政府が第12次5カ年計画(11-15年)に伴う新たなエネルギー政策を正式に決定する見通しも追い風。この政策にはソーラー発電能力を10-20年に年率38%拡大させ、20年時点で20GWとする計画が含まれている。

BOCIはまた、ウエハーなどPV(太陽光発電)部品・装置の平均販売価格が、これまでの在庫処理を背景に安定化に向かう見通しを示している。同社は昨年、自社製結晶シリコンを利用したウエハー生産事業に参入し、その後はウエハー価格動向が同社業績の最大の変動要因となった。165mmウエハー(多結晶)のスポット価格は過去3カ月間に43.8%下落し、ほかに太陽光電池、モジュールなどの価格も調整したが、BOCIは5月以降、スポット価格のトレンドに下落ペースの減速がみられるとし、ソーラー業界全体に対して強気の見通しを継続。今年下期のPV需要の回復が価格相場の底上げにつながる可能性を指摘した。また、新たな生産ラインの稼働に伴い、同社の月間出荷量が上向く見通しを示している。

BOCIは業界全体の需要回復基調や生産販売量の伸びを見込み、同社の成長潜在力が現在株価に反映されていないとの見方。この先、再評価が進む可能性に言及している。現在株価の予想PERは7.96倍、同PBRは2.24倍。11-13年のPEGレシオ(PERを1株当たり利益成長率で割った値)は0.23倍にとどまり、業界平均値を大幅に下回ると指摘している。