卸電力価格を1MWh当たり9.3元値上げ、利益見通し下方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00902 華能国際電力(ホアネン・パワー・インターナショナル)  4.52 HKD
(06/07現在)
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中国政府は6月1日付で卸電力価格の引き上げを実施したが、これに伴う華能国際電力の火力発電部門の値上げ幅は1メガワット時(MWh)当たり9.30元と、BOCIの事前予想(加重平均3.1%値上げ)をやや下回る水準となった。同社は電力価格値上げに対する敏感度が極めて高く、1%の値下げに対する2011年予想純利益の減少幅は28.4%。BOCIは同社が代表的な本土系発電銘柄であることに言及し、同社の収益見通しに対して中立の見方を維持した。また、国内発電用炭のスポット価格と契約価格がかい離する中、1-3月期には契約価格の履行率の低下がみられたが、BOCIはこうした傾向が今後も続くとの見方。目標株価を据え置き、同社株価の先行きに対して中立的な見方を継続している。

同社火力発電部門の卸電力価格の値上げ幅が1MWh当たり9.30元となったことで、BOCIは11年通期の卸電力価格(加重平均)に関する想定値を2.6%引き下げた。これに伴い、11年、12年の利益見通しをそれぞれ2.1%、1.3%下方修正し、それぞれ27億元、37億元に設定している。

最近のメディア情報によると、国家発展改革委員会(NDRC)は輸入石炭にかかる付加価値税(VAT)の引き下げに動く可能性があるという。これが事実であれば、沿海地域に発電施設の47%を配置し、石炭所要量の約5-7%を輸入に頼る同社にとってはプラス。BOCIは11年通期の単位当たり燃料コストの増加率が前年比7%以下の水準を維持するとみている。

一方、BOCIは同社のリスク要因として、発電用炭スポット価格の高騰を指摘。また、スポット価格が契約価格を上回る中、契約価格の履行率が低下する可能性に言及している。