収益成長の勢いを持続へ、業界統廃合の加速が追い風

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02319 中国蒙牛乳業(チャイナ・モンニュウ・デイリー)  25.40 HKD
(06/02現在)
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BOCIはコスト抵抗力や業界統廃合を背景とした収益成長見通しを理由に、中国蒙牛乳業を食品セクターのトップピックの1つに位置づけている。2011年、12年、13年の利益見通しをそれぞれ9.6%、3.9%、4.0%上方修正した上で、10-13年の利益成長率が年率26.1%に達すると予想。同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。

乳製品業界の1-3月期は好調で、総生産量は前年同期比12.5%増。総売上高は19.7%増で、平均販売価格が約6.7%上昇した計算だ。特に10年下期から11年初めにかけ平均価格が上向いた。また、業界全体の在庫レベルは10年末比で5.5%低下。粗利益率は23.1%と、その前3四半期の21.8%、21.5%、19.4%から改善傾向をみせた。全体の純利益は前年同期比23.3%増加し、10年通期の前年比10%から加速傾向を示した。

中国蒙牛乳業の1-3月期の売上高について、BOCIは前年同期比25%以上の伸びを見込み、同社経営陣が示した通期の増収見通し(15-20%)を上回ったとみている。自律成長と買収効果が背景。既存事業は生産量、平均価格の両面から引き続き力強い自律成長を維持したとみられ、昨年10-12月期と今年1-3月期の2度の値上げで、トップシェアを握る高利幅製品分野での価格決定力の高さを証明する形となった。一方、同社は株式51%を取得した君楽宝を10年12月通期決算で連結化。業界4位の君楽宝の買収を受け、国内ヨーグルト市場にける中国蒙牛乳業のシェアは30%に上昇した。11年通期の君楽宝の売り上げ寄与は14億-15億元(全体の4%)に達する見通しという。

一方、政府当局による事業免許取得要件の厳格化を受け、今後は業界統廃合が加速する見通しとなった。既存1176社のうち新規免許を取得できたのはわずか643社で、これにより、シェア約10%分の空白が生じる見込み。また、免許取得済みのメーカーの約40%が、中国蒙牛乳業をはじめとする大手3社の傘下にあるという。今後は小規模事業者の撤退や吸収合併の動きが顕在化するとみられ、同社も11年に買収活動を加速させる見通し。この先の市場寡占化の進行は同社を含む大手に有利とみられている。

原料乳価格は3月はじめをピークに小幅の下落傾向に転じ、同社の原料乳調達価格も4月にキログラム当たり3.6元と、1-2月の3.77元から下向いた。経営陣は11年通期の原料乳コストの増加率を3-5%と予測しており(10年通期は前年比15-20%増)、これまでの製品値上げでコスト増大分を十分吸収できる見通し。BOCIは原料乳価格が短期的にこの水準で安定推移するとみている。また、経営陣は粗利益率が28%を上回る高利幅製品の売上構成比を10年の20%から22%に引き上げる方針。BOCIは、同社の粗利益率に関する予想値を25.8%から26.3%に上方修正した(10年通期は25.7%)。

一方、11年の販売管理費の対売上比率について、BOCIは前年を1.0ポイント下回る20.6%を予想。12年、13年については20.4%、20.5%となる見通しを示している。