11年1竏鈀3月期は25%減益、ゲームおよびソフトの両部門とも下期は上向きに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03888 金山軟件有限公司 (キングソフト)  4.21 HKD
(05/27現在)
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2011年第1四半期(1-3月)の売上高は前年同期比6%減の2億3100万元、純利益は同25%減の6690万元だった。前四半期比では8%減収となったものの経常利益は若干上回った。ウイルス対策ソフトの収益モデルが会費制からVAS(付加価値サービス)へ移行する効果や、4-6月期の新ゲーム発売を踏まえ、BOCIは同社の株価見通しを強気の見方に維持。下期以降、セキュリティソフト製品群のシェア拡大およびオンラインゲーム部門の売上増を市場が受け止め、レーティングの見直しが進むとBOCIは予想している。目標株価は11年PER11倍の水準に設定。現在の株価に対して45%のプレミアム水準にある。

1-3月期のオンラインゲーム部門は、規制強化の影響でベトナム市場が打撃を受けたものの、人気の「剣侠情縁(JX)」シリーズの健闘で前四半期比1%減、前年同期比1%増。ARPU(ユーザー1人当たり月間収入)も前年同期を上回った。5月に「剣侠情縁III」を発売し、拡張パッケージや新コンテンツも4-6月期中にリリースされる予定で、同シリーズが今後安定的な収益をもたらすとBOCIは予想。また、5月に「月影伝説」、「Rush Team」「蒼穹之怒」の3作品のベータ版を限定発表したほか、7-9月期にも新ゲーム2作品を投入することから、下期の業績アップが期待される。

アプリケーションソフト部門の1-3月期売上高は前年同期比22%減。セキュリティソフトのVIP会員数の減少傾向が続き、総合オフィスソフト「WPS Office」の販売オフシーズンと相まって業績が低迷した。ただ、今後は無料ユーザーベースがウイルス対策ソフトの収益の鍵になるとBOCIは指摘。インスタントメッセンジャー大手「QQ」やその他プラットフォームからの流入により、年内にはユーザー数が8000万を超えるとBOCIは予想している。

アプリケーションソフト部門の1-3月期業績は不振だったものの、BOCIは同部門の今後の見通しについてはポジティブな見方を示している。「WPS Office」は、最近新たに採用を決めたNational Audit Office(監査局)に加え、現在までに60以上の中央省庁が利用しているほか、300以上の地方自治体や行政機関、多くの国有企業が導入している。政府による合法ソフトの利用推進を背景に、「WPS Office」は今後も安定的な売り上げを維持する見通し。同社は先ごろ、モバイル環境での閲覧が可能な「Office for Android」を発表。デスクトップ、ウェブ、モバイルのプラットフォーム統合を可能にしたことで、さらなる利用者増が見込まれる。また、新たなオンライン・ストレージサービス「Kingsoft Kuaipan」が中小企業や小売業者を取り込むものとみられる。