相乗効果の高い事業ポートフォリオが強み、11竏鈀13年の予想平均増益率は44%

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02009 北京金隅股フン有限公司 (BBMGコーポレーション)  11.24 HKD
(05/24現在)
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建材大手のBBMGは、セメント、新素材、不動産開発、不動産投資・管理の主要4部門の相乗効果を高めた独自の事業モデルを背景に成長。2010の売上高は前年比60.7%増の231億元、純利益は同43.0%増の27億元だった。BOCIは同社の11-13年純利益をそれぞれ46億5000万元、61億8000万元、80億1000万元と予想(年間平均増益率43.7%)。目標株価はSOTP(Sum of the Parts)方式に基づいて15.04HKドルに設定した。競合に比べ優位な事業ポートフォリオを評価し、株価の先行きを強気見通しとしている。

セメント部門は北京、天津、河北で最大手。中央政府が支援する大手メーカーの1つで、シェアの大きさから価格交渉力を発揮している。同社は本体の成長に加え、買収・合併を通じても規模を拡大。セメント年産能力は09年の1633万トンから10年には4000万トンに増加し、12年には5000万トンに達する予定。

中央政府は省エネルギー/環境対策を第12次5カ年計画(11-15年)の主要項目の1つに据えた。BBMGは低炭素かつ環境に配慮したセメント生産および新素材販売の先駆け。省エネ断熱材などの商品を扱うほか、工場の廃棄物処理に余熱を利用した施設を導入するなどの対策にも力を入れている。

政府は10年より社会保障性住宅の建設を積極的に推進。今年は100万戸の着工が予定されており、今後も一層の拡大が見込まれている。北京では総床面積で年間平均200万平方メートル以上の開発が予定されており、これまでに400万平方メートルが完工。BBMGは北京で多くの社会保障性住宅開発に携わっており10年末時点で114万平方メートルのプロジェクトを担当している。政府が推進するプロジェクトを多く担当することにより、同業他社よりも不動産市場の低迷や政府の規制強化によるリスクを免れている。

同社は現在、590万平方メートルの開発用地(主に住宅向け)を北京、杭州、天津、重慶などに保有。用地の平均取得価格は1平方メートル当たり3300元と比較的低く、今後の利益率アップが期待される。

また、北京に800万平方メートルの工業用地を有しており、これらは徐々に社会保障性住宅、一般住宅、商業施設の開発用地に用途変更される見通し。

同社は100平方メートル以上の投資物件を持つ北京でも有数の不動産管理会社。物件の多くはプライムエリアにあり、物件価値の一段の上昇も期待できる。ブランド力を背景に高い入居率を維持しており、同社に安定したキャッシュフローをもたらしている。

不動産セクターは今年に入り、規制強化や物件価格調整により利益率の縮小が懸念されている。こうした逆風下において、同社は政府との結びつき、社会保障性住宅プロジェクト開発の受注、優良投資物件の保有を強みに、競合よりも優位な立場にある。