3月7日
インジウム、ジルコニウム、レアアースが値上がり、金価格が最高値更新

先週(2月28-3月4日)の卑金属の国際価格は米ドル安を背景に大方上昇した。原油価格が1バレル当たり100米ドルを超える高値を維持し、世界的なインフレ圧力が増している。また、欧州中央銀行(ECB)総裁が4月に利上げを実施する可能性を示唆したことから米ドルが売られ、LME(ロンドン金属取引所)の卑金属価格を支えた。BOCIは世界的な過剰流動性と米景気回復を背景に金属価格は向こう1-2カ月にわたり緩やかな上昇を続けるとの見方を維持している。しかしながら、原油価格の高騰により世界的なインフレ懸念が深刻化し、世界経済の回復を阻む可能性も高まっており、卑金属の需要と価格にも影響が及ぶとみられる。レアメタル(インジウム、ゲルマニウム、モリブデン、レアアース)に関しては、川下の需要増や中国政府の政策により上値余地が大きい。BOCIはA株非鉄セクターに対する強気見通しを継続し、個別では株洲冶煉集団(600961)、寧夏東方チタニウム(000962)、雲南馳宏亜鉛ゲルマニウム(600497)、金堆城モリブデン(601958)を選好している。

キーポイント

  • 先週のLME金属価格は引き続き高値でもみ合う展開となった。鉛が4.4%高と最も値を上げ、アルミニウムは2年来の高値からは後退。下落率最大の亜鉛は1.1%安。スズは高値でもみ合ったが、一段高にはなっていない。LME金価格はリビア情勢の影響で1.7%高と高値を更新した。
  • リビアの政情不安が続く中、先週は原油価格が100ドルを超え、世界的なインフレ圧力の脅威が深刻化。3月5日にはECBのトリシェ総裁が4月の利上げを示唆する発言をして市場を驚かせた。米金利引き上げの可能性は短期的に低いことから米ドル相場が下落し、LME卑金属価格は上昇。BOCIは今後の卑金属相場について、中東情勢やインフレ懸念から短期的に高値で不安定な値動きを続けると予想している。
  • LMEの在庫は、銅、亜鉛、スズが増加した。
  • インジウム価格は引き続き高値を追う展開。レアアースも上向きを維持した。川下需要の増加から、インジウムの供給サイドでは一般に相場の上昇を見越し、売り渋る状況がみられている。3月に入りオーストラリアのジルコンサンドの供給が減少。豪ドル高と相まって先週はジルコンサンド価格が高騰した。レアアースも高値を維持している。
  • 一方、先週の非鉄銘柄の株価動向は前週比0.29%高とベンチマークをアンダーパフォーム。CSI300指数は2.28%高だった。インジウム、レアアース、永久磁石銘柄が非鉄セクターの値上がりを主導。個別銘柄ではインジウム大手の株州冶煤集団が最も値上がりした一方、南京雲海特種金属(002182)など、これまでの上昇銘柄が値を下げた。