3月1日
秦皇島の石炭価格は先週横ばい推移、コークス炭価格の上昇を予想

中国の主要石炭積み出し港・秦皇島における石炭価格は先週(2月22日-28日)、前週比で横ばい推移したが、発電用炭の坑口価格は大同で同1%高。一方、秦皇島の在庫量は相対的に高レベルとなる847万トンまで拡大した。BOCIは発電用炭価格が今後軟化するとみる半面、コークス炭価格の値上がりを予想している。

キーポイント

大同産および山西産の高品位炭価格は2月28日時点で1トン当たり830元、775元と、前週並みの水準を維持した。大同南部郊外産の発電用炭坑口価格は1.0%高となる1トン当たり505元。秦皇島の発電用炭在庫は847万トンと、13%急増した。

3-4月には季節要因により、石炭需要が低水準にとどまる見込み。また、現在の在庫水準が高レベルにあることから、BOCIは発電用炭価格の軟化を予測している。ただ、◇降雨不足が水力発電量に影響する見通し◇海外での石炭高騰を受け、電力会社が石炭輸入に消極的となる可能性――を指摘。こうした要因が国産需要を下支えし、発電用炭価格の下落ペースをある程度緩和するとみている。

中国国内のコークス炭価格は先週、大半のエリアで横ばいに推移した。ただ、BOCIは3-4月の鋼材需要の拡大を見込み、コークス炭価格の上昇を予想している。

山西省晋城における無煙炭の坑口価格は28日現在、前週比3.6%安となる1トン当たり1060元。BOCIは干ばつ被害で肥料需要が落ち込み、結果的に化学用炭需要が縮小する可能性を指摘している。

一方、国内主要都市部の平均鋼材価格は28日時点で前週比1.1%安。都市部の鋼材在庫は引き続き上向き、昨年3月以来の高水準となる1853万トンに達した(前週比2.1%増)。鋼材在庫は年初からこれまでに40%増大したことになる。

BOCIは豊富な資源を抱える石炭生産者の長期見通しを楽観しているが、短期的には中国政府の信用引き締めが続く中、発電用炭銘柄のファンダメンタルズ面の支援材料が見当たらないと指摘。発電用炭銘柄のアウトパフォームには期待しにくいとみている。品種別ではコークス炭銘柄に対して相対的に強気見通しを示し、個別ではエン州煤業(01171)、福山国際能源(00639)を選好している。