2月22日 A株「中立」
住宅物件の購入制限措置を施行、今後の取引低迷を予想

中国の大都市部(1級都市)、中堅都市部(2級都市)における先週(2月14-20日)の不動産取引面積は、前週を上回る水準に達した。旧正月休暇や不動産購入制限措置の影響で、前週実績が低水準にあったことが一因とみられている。中国人民銀行(中央銀行)の要求を受け、地方政府による購入制限措置は先週ほぼ出そろったが、その政策効果は3月から明らかになり始める見通し。BOCIが調査対象としている都市部ではすでに著しい取引規模の縮小傾向がみられたという。BOCIは物件相場の下落見通しが住宅開発を主力とするデベロッパー銘柄に影響するとの見方を示し、賃貸業務を主力とする商業・工業物件銘柄に目を向けるよう投資家に勧めている。

キーファクター

BOCIが調査対象としている国内17都市の取引面積は先週、前週比65.7%増の236万7000平方メートルに達した。主に江蘇省蘇州および広東省東莞が取引の伸びを主導。平均取引価格はやや低下し、都市別では蘇州および浙江省寧波で最大の下落率を示した。

この間の関連政策動向および主要ニュースは以下の通り。◇国内12都市が購入制限措置の細則を発表し、新たな不動産過熱抑制策(通称“新国八条”)が段階的に実施に移された◇銀行融資資金の不動産市場への違法流入を防ぐため、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)がより厳しい措置を導入した◇中央銀行が年初から2度目となる国内金融機関の預金準備率引き上げを行った◇国家統計局が不動産価格統計の算出方法を見直した◇上海市政府が旧市街の350万平方メートルの区画を再開発する方針を発表した◇武漢市政府が漢正街(Hanzheng Street)の修復計画に400億元を投じる方針を発表した――。

このほか、不動産セクターの企業動向は以下の通り。◇保利房地産(600048)および中国建築(601668)が1月の販売統計を発表した◇保利房地産および北京首都開発(600376)が新たな開発用地取得を発表した◇香港上場のデベロッパー銘柄が相次いで社債発行に動いた――。

レーティングと推奨

BOCIは不動産価格の今後の調整や土地取引の低迷を見込み、賃貸業務を主力とする商業・工業物件デベロッパーが最も有力な選択肢になるとみている。賃料相場の上昇傾向が鮮明となっていることが背景。大都市部のオフィスおよび店舗物件はすでに、昨年下半期時点で大幅な上昇を示した。また、賃貸を主力とする不動産銘柄は相対的にリスク抵抗力が高い点が強み。BOCIは個別では、広東海印(000861)、南京新港高科(600064)、中国国髯・エク易中心(600007)、上海金橋出口加工区開発(600639)などを選好している。