2月22日
秦皇島の発電用炭価格が軟調推移、コークス炭価格は3月以降に値上がりか
中国の主要石炭積み出し港・秦皇島における石炭価格は先週(2月15-21日)、前週比で0.6%調整し、在庫量は同1.8%増の753万トンに達した。発電用炭価格は軟調に推移しており、今後も春季の到来や高い在庫水準を背景に軟化傾向が続く見込み。コークス炭価格は短期的に現在の安定推移が続く見通しだが、3-4月の鋼材需要の増大を背景に上向く可能性が出てきた。BOCIは石炭セクターの長期見通しを楽観しながらも、短期的には国内の信用引き締めや(引き締め観測と石炭銘柄の値動きは相関関係が強い)、発電用炭銘柄の支援材料に欠けることなどが、石炭セクターのパフォーマンスに影響するとの見方。コークス炭銘柄に対して相対的に強気の見通しを示し、個別ではエン州煤業(01171)、福山国際能源(00639)をトップピックとしている。
キーポイント
秦皇島における山西産の高品位炭価格は2月21日時点で前週比0.6%安の1トン当たり775元だった。前週比での下落は年初から2度目。需要の低迷や気候の温暖化、高在庫レベルなどが調整材料となった。秦皇島の石炭在庫は前週比1.8%増の753万トンと、昨年9月以来の高水準を記録。BOCIは昨年3-4月の石炭在庫が2月比で増大した経緯や春の低需要期の到来を指摘し、この先、発電用炭価格の軟化が続く見通しを示している。
コークス炭価格は先週、多くの地域で横ばい推移した。ただ、硬質コークス炭のベンチマークとされている山西省柳林産の4号精炭価格は、前週を3%上回る1トン当たり1700元に達した。
一方、国内主要都市部の平均鋼材価格は、21日時点で前週比2.1%下落した。都市部の鋼材在庫は同6%増の1815万トンと、昨年3月以来の高水準。年初比ではすでに37%増大した。
BOCIは石炭セクターの長期見通しを楽観しながらも、支援材料に欠けることなどを理由に、発電用炭銘柄のアウトパフォームには期待しにくいとの見方。品種別ではコークス炭銘柄に対し、相対的に強気見通しを明らかにしている。