2月15日
一般炭、原料炭共に国内の値動きは横ばい、金融政策が今後のセクター動向に影響
石炭セクターの先週の値動きは限定的だった。一般炭(発電用)の価格動向に関しては、国内価格が堅調だった一方、国際価格は下落した。原料炭(コークス用)価格は、原油価格が上昇したものの、横ばい推移。鋼材は価格が上昇し、在庫が増加した。BOCIは、石炭セクターのパフォーマンスについて短期的にはマクロ経済、特に消費者物価指数(CPI)や信用引き締めの度合いに左右されると指摘。信用状況次第で石炭セクターのバリュエーションが高まるとした。個別銘柄では原料炭を扱う福山国際能源(00639)、エン州煤業(01171)を推奨している。
キーポイント
中国の主要石炭積み出し港、秦皇島における大同産および山西産の高品位炭価格は、2月14日時点で1トン当たり830元、780元と、前週比横ばいで推移した。大同南部郊外産の一般炭坑口価格も前週と同じ同500元を維持。秦皇島における石炭在庫は前週比4.2%減の740万トンだった。
NEWCインデックス(豪ニューキャッスル港出し石炭価格)は11日現在、前週比3.9%安の1トン当たり123米ドル。ブレント原油先物価格は同1.6%高の1バレル当たり101米ドルだった。
一般炭需要の閑散期が近づき、秦皇島の一般炭スポット価格は今後さらに下向く見通し。2月12日時点の一般炭在庫は748万トンに増加。主要発電所の在庫は8日現在で16日分となり、1月20日時点の13日分から増えている。
原料炭価格は多くの地域で横ばい推移。
オーストラリアの洪水の影響で良質の原料炭供給が世界的に滞り、原料炭価格の上昇を招いた。市場では、11年第2四半期のオーストラリア産原料炭契約価格が第1四半期の1トン当たり225米ドルから300米ドルまで値上がりするとみられている。この影響で中国の原料炭価格も若干の上昇が見込まれる。今年に入り、山西省柳林第4炭坑の原料炭が1トン当たり965元をつけ、平均価格の931元を上回っている。
主要都市の鋼材平均価格は11日時点で前週比1.9%高、鋼材在庫は16%増。
石炭セクターの動向は短期的にマクロ経済、とりわけCPIおよび政府の信用政策に連動するとみられる。信用状況次第で石炭セクターのバリュエーション改善が期待される。