2月14日 
米景気回復や中国の需要回復に期待、向こう1-2カ月の価格上昇を予想

旧正月明けの第1週目となった先週(2月5-11日)、卑金属の国際相場は中国の追加利上げを受けて全般に調整した。エジプト情勢が安定化に向かったことで、BOCIは金をはじめ「資金の避難所」となる各種資産の需要が後退し、金価格および卑金属価格がある程度下落すると予想。さらに中国の引き締め懸念が非鉄相場に一定の影響を及ぼす可能性を指摘しながらも、長期的にはほぼゼロに近い米国の低金利が年末まで続くとみて、世界的な高流動性が相場を底上げする見通しを示した。また、マーケットが現在、米景気回復に伴う金属需要の拡大や旧正月休暇明けの中国の需要回復に目を向けているとし、向こう1-2カ月にわたる金属価格の安定的な上昇傾向を予測している。BOCIは同時に、1月に調整した非鉄銘柄の株価が上向きに転じる見通しを示し、A株非鉄セクターに対する強気見通しを継続した。個別では株州冶煤集団(600961)、寧夏東方チタニウム(000962)、雲南馳宏亜鉛ゲルマニウム(600497)、雲南錫業(000960)を選好している。

キーポイント

  • LME(ロンドン金属取引所)では先週、スズ価格が前週比1.7%上昇したが、それ以外の非鉄金属価格はほぼ軒並み調整。中でも鉛価格が同2.7%の下落率を示した。LMEの金価格は同0.7%高となった。
  • 中国国内の非鉄金属価格の上昇トレンドは、旧正月明けの追加利上げを背景に先週までで一服した。ただ、需給のひっ迫感が強く、川下需要の旺盛なスズは例外だった。BOCIは旧正月休暇明けの生産活動の再開と企業各社による在庫確保の動きを予想。こうした要因が今後、国内非鉄金属相場の上昇を支える見通しを示している。
  • LMEの非鉄在庫は先週、まちまちの動きをみせた。鉛在庫は前週を2.0%上回り、15年ぶり高水準を記録。一方、スズの在庫は前週比3.4%減と、昨年10月以来初めて下向きに転じた。ほかに銅在庫は同7.4%増。旧正月休暇中の需要停滞が影響した。
  • モリブデン、アンチモン、酸化ネオジムは先週、取引高が低迷する中でそろって上昇した。レアメタル取引は旧正月前後5営業日にわたって薄商いとなり、大半のレアメタル価格がほぼ前週比横ばい推移した。
  • 一方、非鉄銘柄の株価は先週、相対的に堅調推移。非鉄銘柄株価指数は1月の調整から抜け出し、前週比3.97%値上がりした。アルミ、銅銘柄が出遅れる半面、中国政府の戦略的備蓄政策を手がかりにレアアース永久磁石銘柄、ゲルマニウム銘柄などが非鉄セクターの値上がりを主導した。