2月1日 A株「中立」
国務院が8項目にわたる購入制限措置を発表、不動産税も導入開始

中国の不動産取引面積は先週(1月24-30日)、前週を大幅に上回る展開となり、平均取引価格も一段高となった。昨年9月以来、中小都市(2級、3級都市)のけん引で取引面積および物件価格は上昇傾向を維持している。地方都市の不動産市場が過熱する中、国務院はこのほど3回目となる不動産規制策の強化に乗り出した。さらに上海と重慶で不動産税を試験的に導入すると発表。これにより今後は新たな不動産購入が抑制され、2011年上期の販売面積および物件価格は下落に転じる可能性が高まった。

レーティングの根拠

市場動向:

  • BOCIがカバーする17都市の先週の取引面積は、前週比12.5%増の384万4000平方メートル。地域別では四川省成都と福建省アモイで最も伸びた。平均取引価格指数も高値を更新。武漢と深センが値上がりを主導した。

政策動向:

  1. 国務院が不動産価格抑制のため8項目にわたる新たな政策措置「新国八条」を発表。3回目となる今回の調整策はより厳しいものとなったもよう。
  2. 上海と重慶で不動産税を試験導入。
  3. 江西省南昌市および雲南省昆明市が物件購入制限措置を発表。
  4. 中原経済区が国家レベルの開発区域に組み込まれた。

企業動向:

  1. 万科企業(000002)および廈門建発(600153)が新たな開発用地を取得。
  2. 保利房地産(600048)および上海外高橋保税区(600648)が決算見通しを発表。
  3. 嘉凱城(000918)が28億元を調達。
  4. 栄盛房地産発展(002146)がデットファイナンスで5億元を調達。
  5. 万科企業が役員人事異動。

レーティングと推奨

中央政府による新たな不動産抑制策により、11年上期の不動産取引量は前年同期比15-20%減になると予想される。また、11年4-6月期には大手デベロッパーによる価格競争が始まる見通しで、BOCIは2級、3級都市の限界効果が大きいとの見方を維持している。ただ、土地入札の撤退率上昇を伴う不動産価格の下落は、規制策緩和への期待を高め、不動産セクターのバリュエーション回復を導くとみられる。BOCIは業界大手の万科企業、大都市部に強みを持つ北京首都開発股フン(BCD:600376)、観光/不動産銘柄の深セン華僑城控股(000069)といった販売力のある銘柄を推奨している。