2月1日 
鋼板類の価格が上昇、海外からの受注増と生産調整が影響

先週(1月24-28日)の鋼材スポット価格は、異形棒鋼、線材、熱延鋼板、厚中板が過去2年間の最高値を記録して全体をけん引。前週を上回る展開となった。鋼材価格動向は、原油価格の高騰、工場渡し価格の引き上げ、市場の期待を背景に、春節(旧正月)後の上昇が見込まれている。特に鋼板類は国内需要と輸出の増加で向こう3-4カ月は高値が続く見通し。一方、条鋼類に関しては、供給増と政府の不動産抑制策の影響を受けて需要の拡大が不透明な状況にある。政府が引き締め策を強化する傾向にある中、3-4月の建材価格の上昇幅は限定的とBOCIは見ている。鉄鋼セクターのバリュエーションは比較的割安な水準にあり、1-3月の鋼材価格上昇に伴い株価もこれを追随する展開になる見通し。BOCIは鉄鉱石資源や特殊鋼を主に扱う銘柄に対しポジティブな見方を示している。

キーポイント

  • 先週の平均鋼材価格は前週比1.0-5.8%高。熱延鋼板が前週比5.8%高とけん引。線材の伸びが最も小さかった。鋼材価格指数は2.54%高と、ベンチマークをアウトパフォーム。CSI300指数は1.79%高だった。
  • 1月の鉄鉱石およびコークスの平均価格は前月比2-2.4%高。鉄鉱石、コークス、くず鉄の国際価格が大幅に上昇した一方、国内価格の動きは緩やかだった。製鋼所は旧正月以降に在庫を増やすとみられ、これに伴い国内鋼材価格が上昇する可能性が高い。
  • 多くの製鉄所が先週、工場渡し価格を引き上げた。条鋼類の価格は1トン当たり30-150元、熱延鋼板は同280-350元(およそ6-7.5%)上昇。1月は各品種で工場渡し価格が引き上げられたが、現在は横ばいまたは若干の下落で推移している。
  • 仲介業者が早めに旧正月休暇に入り売買が滞った。2010年12月のエンドユーザー購買量は大幅に落ち込み、中間需要は実質的に停滞。川下の需要は4月初めの清明節まで回復しないとみられる。高速鉄道と公営住宅の建設投資が拡大したもののその他の需要回復のタイミングは明確ではなく、11年下期まで停滞する可能性も指摘されている。
  • 1月11-20日の粗鋼の1日当たり平均産出量は直前の10日間に比べて5.44%減少。メンテナンスによる操業停止が主因だが、生産量は旧正月をはさみ2月後半まで戻らない見通し。
  • 鋼材在庫は引き続き上昇傾向を維持。中でも条鋼類が前週比9.6%増に達した。鉄鋼建材の需要減と小規模製鋼所の生産高増で条鋼類の在庫は12月半ばに比べて35%増加している。一方、鋼板類の在庫は主に生産調整と輸出の増加で2%増にとどまった。オーストラリアの洪水によるコークス不足は日本、韓国、EU諸国に打撃を与え、代わりに中国の鋼板製品に受注が殺到。この影響で鋼板類の価格が上昇している。