1月26日 H株「オーバーウエート」、A株「オーバーウエート」
1月前半の新車販売が予想以上に好調、市場の悲観ムードを払しょくへ

中国国内の新車販売台数は1月第1-2週に前年同期比35.9%増、前月同期比で16.4%増と、予想を上回る好調ぶりを示した。BOCIはディーラーの在庫レベルが相対的に低水準にあることや、主要自動車銘柄の1月単月および1-3月期の販売統計が前年同期を上回る見通しに言及し、主要銘柄の利益レベルがさらに上向くと予測した。また、収益見通しが明確化するのに伴い、自動車セクターに対するマーケットの悲観的な見方が後退し、バリュエーションも上向くと予想。現時点では2011年予想PER10倍以下の水準にある株価がこの先、同13-15倍を回復するとみて、主要自動車銘柄の株価の先行きに強気見通しを継続している。

中国国内の新車販売台数は昨年、前年比32.4%増の1806万台に達した。うち乗用車は同33.2%増の1375万8000台、商用車は29.9%増の430万4000台。また、12月単月の新車販売は前年同月比17.9%増、前月比でほぼ横ばいとなる167万台に上り、うち乗用車は前年同月比18.6%増の130万9000台、商用車は同15.4%増の35万8000台だった。中国汽車工業協会によれば、国内業界大手17社の2010年1-11月期の売上高は前年同期比41.5%、税引き前利益は同77.2%の伸びを示したという。

セダン車市場では昨年、小型車(排気量1600cc以下)および自主ブランド車の販売が好調で、通年の販売台数シェアはそれぞれ69.9%、30.9%に達した。また、乗用車市場における小型車のシェアは前年を0.9ポイント上回る68.8%。特に11-12月には年末の減税措置の終了を見込んだ駆け込み需要が発生したことで、小型車のシェアは70%を超える高水準に達した。BOCIは車両取得税減税措置が昨年末に終わったことを理由に、今年上期の小型車のシェア低下を予想。今年通年でも前年実績をやや下回る見通しを示した。ただ、中国政府が進めるエコカー(省エネルギー車)支援策を追い風に、小型車のシェアが段階的に回復に向かう可能性を指摘している。

一方、昨年12月の乗用車価格指数は前月を1.7%上回る67.9ポイントに達し、全車両カテゴリーで上昇傾向をみせた。昨年通年では3.9%低下し、全カテゴリーで3%以上の下落率を示したが、BOCIは妥当な数字との見方。それ以前の2004-08年には下落率が年率5.3%に達していたことを指摘している。

BOCIは今年通年の乗用車販売台数について、前年比15%の伸びを予想している。貨物車・バス、軽トラックについてはそれぞれ同8-15%、15-20%の伸びを予測。また、1月単月および1-3月期の販売好調を見込み、主要自動車銘柄の利益が高水準を維持するとみている。