1月25日 A株「中立」
購入制限措置が中小都市に波及、住宅相場調整でバリュエーション向上も

不動産銘柄は先週、相対的に安定したパフォーマンスを示した。BOCIが調査対象としている国内17都市をみると、上海市を除く大都市部(一級都市)の物件取引量は前週を上回り、中小都市部(二級、三級都市)は個別にまちまち。BOCI不動産指数は再び高値を更新した。地方政府による「購入制限措置」が中小都市部に波及し、不動産税の導入時期も迫る中、住宅価格は今年一定幅で下向く可能性が高い。ただ、BOCIはA株相場全体の調整を見込み、不動産銘柄の相対的に堅調な値動きを予想。低バリュエーションを理由に、不動産銘柄が資金の避難所になるとの見方を維持している。

BOCIがカバーしている17都市の取引面積は、1月17-23日の週に前週比2.1%減の327万2000平方メートルとなった。地域別では広東省東莞、湖南省武漢で最大の減少幅を示した。一方、平均取引価格指数は一段と上向き、浙江省寧波と武漢が値上がりを主導した。

この間の関連政策動向および主要ニュースは以下の通り。◇国務院(内閣に相当)が強制取り壊しを禁じた建物解体に関する規則を採択した◇太原、昆明、済南など各市が物件購入制限措置を導入し、同措置が二級、三級都市にさらに拡大した◇国務院が不動産税管理規定を改正した◇国家統計局が2010年の経済指標を発表した◇国土資源部が土地不正利用案件8件に関する対処法の監督を行った――。

このほか、不動産セクターの企業動向は以下の通り。◇越秀地産(00123)が2010年の販売統計を発表した◇華発股フン(600325)や保利房地産(600048)などが開発用地の取得に関する情報を発表した、◇福星股フン(000926)がFudi Groupを私有化する計画を発表した◇海科建および冠城大通(600067)が北京市場におけるプレゼンスを拡大した――。

BOCIは住宅価格相場の適度の調整が逆に、不動産銘柄のバリュエーション回復につながる見通しを示している。個別では、潤沢なキャッシュフローなどを理由に、引き続き業界最大手の万科企業(000002)、保利房地産を選好。ほかに大都市部に強みを持つ北京首都開発股フン(BCD:600376)と濱江集団(002244)に対して強気見通しを示した。この2社が基盤とする大都市部では昨年すでに購入制限が実施されたため、この先導入される不動産引き締め策に対する抵抗力が相対的に強いとの見方。また、大都市部住民の購買力の高さに触れ、今年は新築物件の販売見通しがより明確になると指摘している。