トランプ氏当選で、12月の米利上げは無くなったか?
日本株に大きな影響を及ぼすのは、トランプ氏の為替・金融政策についての発言です。トランプ氏は、ドル高が米国の製造業を苦しめていると、繰り返し発言してきました。日本を「為替操作(円安誘導)国」と非難し、円高(ドル安)が進むきっかけを作った経緯があります。
ドル高につながる米利上げにも反対する姿勢をとってきました。昨年12月に利上げを行った米FRB(中央銀行)イエレン議長を批判し、「大統領になったらイエレンは(FRB議長に)再任しない」と発言しています。
米景気はゆるやかに回復に向かっており、12月には再利上げの可能性が高まっていると考えられていました。ただし、米利上げは、もはや重大な政治問題となっています。トランプ氏が大統領に当選したため、12月の利上げは難しくなったと考えられます。
トランプ氏がこれから米利上げに否定的な発言を繰り返すと、世界の株式市場にはプラスに働きますが、円高(ドル安)につながりやすいため、日本株には逆風となります。トランプ氏の発言次第では、一段の円高が進み、日本株が売り込まれるリスクもあります。