1月18日
国内石炭価格は安定傾向を持続、短期的には株価押し上げ材料が不足

中国国内の発電用石炭価格は先週(1月11-17日週)、ほぼ前週並みの水準で推移した。一方、国際石炭相場および原油相場は大幅に上昇。また、国内のコークス炭価格が横ばいとなる半面、コークスおよび鋼材価格は上向き、鋼材在庫は増大した。BOCIは石炭セクターの長期見通しを楽観しているが、短期的には信用引き締めや発電用炭需要の伸び悩みを理由に、石炭セクターのアウトパフォームには期待しにくいとの見方。個別では、引き続き香港上場のエン州煤業(01171)、中国中煤能源(01898)をトップピックとしている。

キーポイント

  • 大同南部郊外産の発電用炭坑口価格は1月17日時点で、前週比2.0%高の1トンあたり500元に達した。ただ、中国の主要石炭積み出し港・秦皇島における大同産、山西産の高品位炭価格はそれぞれ同840元、同785元で前週並みの水準だった。
  • NEWCインデックス(豪ニューキャッスル港出し石炭価格)は14日現在、前週を4.9%上回る1トン当たり136米ドルに値上がりした。豪クイーンズランド州を襲った洪水被害の影響で石炭生産量が落ち込んだことが背景。同インデックスは昨年8月13日からこれまでに累計57%上昇したことになる。また、ブレント原油先物価格は前週比5.7%高の1バレル当たり98.7米ドルに達した。
  • 一方、コークス炭価格は先週、中国国内の大半のエリアで横ばい推移したが、山西省呂梁は例外で、先週まで3週連続で値上がりした。ただ、BOCIは市況の調整や旧正月休暇後に閑散期を迎えることなどから、短期的なコークス炭価格の上昇余地は限られるとみている。
  • 国内主要都市における鋼材平均価格は14日時点で、前週比0.6%値上がりした。鋼材在庫は同2.1%増大し、これで4週連続して上向いた。