執筆:窪田真之

23日の日経平均は、前日比100円安の16,497円でした。薄商いの中、ジリ安の展開となりました。為替が1ドル100円近くで推移しており、さらに円高が進むリスクが警戒され、日本株の上値は重くなっています。

リスク要因はいろいろ残っていますが、投資環境は最悪期を脱しつつあると考えています。私は、株価が割安と判断される東証一部コア30から、時間分散しつつ投資を始めてよいと考えています。

(1)大型株ほど、割安な銘柄が多い

今の日本株は、配当利回り・PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)などの株価指標で見て、割安と判断しています。中でも、外国人投資家の売りが集中した大型株に割安なものが目立ちます。中小型株にも割安な銘柄は多数ありますが、今は、大型株の方がより割安と考えています。

以下で、東証一部の平均バリュエーションと、東証一部の中の時価総額上位30社で構成するTOPIXコア30【注】の平均バリュエーションを比較します。

【注】TOPIXコア30:東証一部上場企業の中で、時価総額が特に大きい30銘柄から構成される。時価総額上位30社が構成銘柄となることが多い。

東証一部とTOPIXコア30の予想配当利回り平均・平均PER・平均PBR比較:2016年8月23日時点

  配当利回り PER PBR
東証一部 2.2% 14.6倍 1.14倍
コア30 2.7% 13.1倍 1.14倍

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

TOPIXコア30の予想配当利回り(平均)は2.7%で、東証一部平均2.2%を上回っています。つまり、コア30の方が、配当利回りから見て、魅力的といえます。

予想PERは、コア30が13.1倍、東証一部が14.6倍で、コア30の方が低く、割安となっています。PBRの水準は、同じです。