11月16日 「中立」
ベンチマーク指数の下落によりアウトパフォーム
香港株式市場の公共セクターにおけるBOCIのカバー銘柄の過去1週間の株価上昇率は、ベンチマークをアウトパフォームする結果となった。ハンセン指数が4.1%、H株指数が5.9%下落したことが要因。利益確定売りでこの状態は長続きしない見通し。IPP(独立系発電事業者)銘柄は2.6%、ガス銘柄は4.6%、代替エネルギー銘柄は0.7%、香港公共銘柄は3.4%、それぞれベンチマークを上回った。
中国の10月の発電量は前年同月比5.9%増の3329億キロワット時(kWh)と、9月の同8.3%増から減速した。10月の石炭火力発電量が前年同月比0.6%減と過去14カ月で初めてマイナス成長を記録したことが影響。1-10月の発電量(3兆4846億kW時)は前年同期比14.9%増で、1-9月の18.0%増に比べて鈍化した。
石炭積み出し港・秦皇島の石炭スポット価格(5500kCal/kg)は10月初めから5週連続で上昇していたが、前週は1トン当たり795元と横ばい。スポット価格は10月初めに比べて10.4%高(1トン当たり75元高)の水準にある。山西省の坑口価格は前週比1%高の560元だった。
中国石油天然気集団(CNPC)は、今年の北京へのガス供給量を前年比18%増の76億立方メートルに引き上げる予定。これは6月の非一般世帯向けガス料金値上げを反映したもの。一般世帯向けガス料金の値上げについては結論が出ておらず、現在の1立方メートル当たり2.05元に0.23元または0.27元を上乗せする方向で協議が行われている。
華潤電力控股(00836)の10月の純発電量は前年同期比18.4%増の76億kWh。既存発電所ベースでは3.3%減の84億kWhだった。10年1-10月の純発電量はBOCIの2010年予想値の79.6%相当。
BOCIは公共料金引き上げによるIPPへの影響について、市場は2011年業績予想にすでに織り込み済みと指摘。値上げが実現しなかった場合の業績見通しは、華電国際電力(1071)を赤字に据え置く一方、その他IPPの予想利益を現時点よりも21.6-50.5%引き下げる方針を示している。事業環境の厳しい局面において、BOCIは華潤電力控股や大唐国際発電(00991)といった石炭価格の変動に対応できるIPP銘柄を選好。また、引き続き風力発電、ガス、廃棄物エネルギー銘柄を推奨している。
香港中華煤気(00003)は先ごろ、威華達控股(00622)からタウンガス・チャイナ(01083)の株式10.21%を1株当たり3.63HKドルで取得し、出資比率を56.28%から66.49%に引き上げると発表した。
河北建設投資集団(HECIC)がクリーンエネルギー事業の旗艦として新天緑色能源(00956)を設立。河北省で天然ガス輸送・供給、および風力発電を手掛ける。両事業の内容は業界平均を上回り、高成長が期待される。