鄭州ガスの34.5%を取得、今後も親会社からの資産注入により業界内の地位強化

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01193 華潤燃気控股有限公司(チャイナリソーシズ・ガス)  9.36 HKD
(12/04現在)
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華潤燃気が鄭州ガス(03928)を買収する計画を明らかにした。鄭州ガスの実質筆頭株主である鄭州市国有資産監督管理委員会(鄭州市国資委)と共同出資で新会社「鄭州華潤燃気有限公司」を設立。華潤燃気が80%を出資する。鄭州市国資委は保有する鄭州ガスの株式すべて(発行済み株式数の43.18%)を新会社に注入。華潤燃気は新会社を通じて鄭州ガスの株式34.5%を保有することになる。取得価格は4億5670万元で、09年予想PER5.1倍、または12月3日終値に対して38%のディスカウント水準。

華潤燃気は鄭州ガスの34.5%を保有することで、内資株12.8%とH株44%を対象にTOB(株式公開買い付け)を提案する義務が発生する。提示価格は9.60HKドル。

鄭州ガスの予想PERは華潤燃気の24%、予想PBRは34%の水準にある。買収により、華潤燃気の1株当たり利益は大幅に拡大する見込み。買収の第1段階である34.5%の取得で、華潤燃気の10年予想EPSは21.2%増加するとBOCIは試算している。

買収の第2段階であるTOBについて、提示価格が現在の株価を大幅に下回っているため、少数株主がこれを受け入れる可能性は低い。このためBOCIは、鄭州ガスが華潤燃気の関連会社である点を前提に今後の業績を試算している。

BOCIは華潤燃気の10-11年利益に対する鄭州ガスの貢献度をそれぞれ15.9%、14.9%になると予想。これとは別に、10-11年の都市ガス供給価格が年間10%の割合で上昇する上、非住宅向けの接続料金の値上げも見込んでいる。これらの要因を踏まえ、BOCIは華潤燃気の10-11年予想売上高をそれぞれ19.3%、23.4%上方修正した。

華潤燃気の新規プロジェクトは、08年10月の裏口上場以来、急ピッチで進んでいる。四川東部パイプラインを初めとするプロジェクトの委託によりガス供給量が大幅に増えており、今後も同社の都市ガス販売量が跳ね上がることが予想される。BOCIは、08年の13億8000万立方メートルから10年には27億立方メートル、11年には36億立方メートルに達すると見込んでいる。

華潤燃気の親会社である華潤創業は、08年の時点で20件以上のガスプロジェクトを保有し、販売量はおよそ11億立方メートルに上った。9月に16億HKドルで華潤燃気に注入した7つの新規ガスプロジェクトの09年上期販売量は2億4000万立方メートル。残りのプロジェクトの10年販売量は9億4000万立方メートルで、年間20%の成長が見込まれている。BOCIは向こう3年以内に親会社がこれらのプロジェクトを華潤燃気に譲渡すると予想。その効果を考慮すると、華潤燃気の1株NAV(純資産価値)は10.44HKドル、10-11年予想PERはそれぞれ28.5倍、23.1倍に達し、競合他社に対して23%のプレミアム水準となる。国営企業の親会社を後ろ盾に、華潤燃気は今後も業界での地位を強化するとみられる。