2009年1-9月期決算、調整後利益は予想を下回る水準

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00762 中国聯通(香港)(チャイナ・ユニコム(ホンコン)) 10.16 HKD
(11/02現在)
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チャイナ・ユニコムが発表した2009年1-9月期決算は、純利益が93億4000万元(EPSは0.39元)だった。前年同期との比較は明示していない。特別項目を除いた調整後の経常利益はBOCIの予想を9%下回る79億8000万元。前金で支払われた固定回線(2001年7月にサービス廃止)の接続料金4億元や、7-9月期にスペイン系通信大手テレフォニカとの株式交換により計上した特別利益9億6000万元を除外している。テレフォニカの持ち株分の評価損益は今後とも同社の決算に影響を及ぼすが、売却するまでキャッシュフローへの影響はない。

1-9月期の売上高は1149億3000万元と、BOCIの予想に即した水準だった。固定回線の前払い金4億元を除いた調整後の売上高(1145億2000万元)は予想値を4-5%上回っている。7-9月期の調整後売上高は、前四半期比で0.6%増と、4-6月期の同1.3%増から減速した。

通信業界再編に伴い、同社は昨年10月にCDMA部門をチャイナ・テレコムに売却した上で、チャイナ・ネットコムを吸収合併した。また、昨年末には中国網絡通信集団から中国南部および西部の通信事業を取得している。BOCIの推定では、同社の7-9月期の調整後売上高は、通年の予想売上高の24.5%に相当する。

1-9月の現金支出はBOCI予想を1.4%上回る683億1000万元。特に7-9月のネットワーク運営コストが61億5000万元と、1-3月期の53億元、4-6月期の57億元よりも増加した。7-9月期のキャッシュコストは前四半期の4-6月期に比べて5.2%増加。4-6月期は前四半期比で5.6%増だった。減価償却費は118億2000万元で、4-6月期、1-3月期のそれぞれ116億5000万元、117億1000万元を上回った。

BOCIは、今後も同社のコスト圧力が高まる傾向にあると指摘。WCDMAネットワークの償却が7-9月期に始まったばかりである上、3G事業関連のマーケティング費、端末補助金などのコストも負担となってくる。7-9月期のEBITDAマージンは、1-3月期の42.9%、4-6月期の40.5%に対し、37.7%に低下した。

1-9月の営業利益110億4000万元はBOCI予想を5.1%下回るものだった。純財務手数料は予想よりも19%少ない水準だったものの、その他収入が予想を25%下回った。

これらを踏まえ、BOCIは2009年度予想利益を4.2%引き下げ97億8000万元に修正。2010年についても5.1%下げ、76億7000万元に設定した。株価の先行きについては慎重な見方に据え置いている。

BOCIはまた、同社の3Gサービスについて、ネットワークの質やブランドイメージが競合に見劣りする可能性を指摘。その上で、3Gサービスの月額料金が利用者にとって割高に感じられる点を懸念している。