2009年6月中間期に10%増益、既存店売り上げも通年でプラスへ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00980 聯華超市股フン有限公司(リエンフア・スーパーマーケット) 15.50 HKD
(08/26現在)
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聯華超市の2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比10%増の2億5000万元と、ほぼBOCIの予想通りの水準となった。ただ、中核事業の業績はさえず、営業利益は同6.8%減の2億600万元。主に既存店売り上げの減少や積極的な店舗閉鎖戦略、さらに販管費の対収入比率の上昇などが影響した。仏カルフールとの合弁会社Shanghai Carhuaの利益は3.7%減の6200万元。主に景気減速下での新規出店が響いたようである。

BOCIは金利収入に関する想定値を引き上げる一方、増収率(09年通期の予想値を17%から13%に下方修正)や営業利益率(同1.46%から1.35%に下方修正)に関する予想値を引き下げる形で同社の利益見通しを調整。2009-11年の予想EPS伸び率を約20%とした。また、目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに関する強気の見方を維持した。

7-8月の中国東部の大雨などが影響し、既存店売上高は1-8月期(8月前半まで)も前年同期を下回る水準にとどまった。ただ、同社経営陣によれば、8月後半にはプラス成長に転じており、10-12月期にはCPI(消費者物価指数)の上昇を背景に安定成長を回復する見込み。通年でもプラス成長を確保する見通しという。なお、業態ごとに既存店売上高をみると、ハイパーマーケット(大型ディスカウントストア)は前年同期比1%減、スーパーは同3%減、コンビニは1.7%減。ハイパーマーケットは減収率が最も小さいだけでなく、上期の営業利益率が1.7%に改善しており、BOCIはハイパーマーケットの商品価格の安さが、マイナス影響を最小限に抑えたとの見方を示している。 同社は上期に260店舗を出店する一方、200店舗を閉鎖したため、純増数はわずか60店舗にとどまった。これは年末までの目標(374店舗)を大幅に下回るペース。BOCIはこの点について、同社が進める「直営店ネットワークの最適化」が影響したと見ている。直営店の増減を業態別に見ると、ハイパーマーケットが1店舗の純減、スーパーが29店舗の純減、コンビニが4店舗の純増。ただ、BOCIは消費者信頼感が回復に向かう中、同社が今後、店舗網の拡大を強化すると予想。店舗数に関する想定値を据え置く半面、出店時期の先送りに伴う売上高への影響を利益見通しに反映させている。 一方、上期のフランチャイズ店の新規出店数は230と、直営店の30店舗を大幅に上回った。ただ、それでもロイヤルティー収入は前年同期並み。スケールメリットの拡大や商品多様化を優先し、一部店舗向けにフランチャイズ費の値下げを行ったことなどが影響した。フランチャイズが店舗全体に占める割合は6月末時点で60%、新たに買収する華聯超市を含めると65%強となる。BOCIは同社フランチャイズモデルが営業利益率の低下につながる可能性を指摘するとともに、株主利益の観点からもメリットが限られるとの見方。フランチャイズを重視する同社の方針については「小都市部でのブランド商品供給の充実を目指す中国政府の政策に沿ったもの」との見解を示している。