2009年6月中間決算は11%増益、予想利益は据え置き株価見通しを中立に下方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02899 紫金鉱業集団(ズージン・マイニング・グループ) 7.29 HKD
(08/10現在)
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紫金鉱業集団の2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比11%増の19億3300万元だった(EPSは0.13元)。これはBOCIの通年予想利益37億8700万元、市場コンセンサスの37億4800万元のおよそ51%で予想値に即した水準といえる。四半期ごとの推移をみると、4-6月期の利益は1-3月期の9億1200万元を12%上回った。例年どおり、同社は中間配当を実施しない方針。BOCIは業績予想値を据え置く方針だが、株価の見通しについては最近の価格上昇を踏まえ強気から中立の見方に引き下げている。

6月中間期は金利および税金が低水準だったことが業績に影響。また、金の販売量も前年同期比12.1%増の3万7580キログラムに達した。このうち1万6004キログラムは鉱山からの採掘、2万1576キロは製錬したもの。製錬分を除いた金の販売量は前年同期比20.4%増だった。銅の販売量も前年同期を56.4%上回る3万8264トンと貢献。金価格も前年同期比2.2%安(グラム当たり203.73元)と比較的安定していた。

09年6月中間決算の粗利益率は前年同期の42%から33%に低下。金製錬事業を除いた全体の粗利益率は67.4%(前年同期は73%)。金価格の下落率は前年同期比2.2%にとどまった一方、銅カソードが同44.8%下落した。金の製造コストは前年同期比で8.9%安いグラム当たり57.4元。原料価格および人件費の低下、コスト管理が奏功した。一方、銅の生産コストは同10.7%増の1トン当たり1万5449元。グレードの低い銅鉱石の利用でコストを抑えた。銅精鉱の製造コストはAshele銅山およびDeerni銅山の生産量増加により23.7%低下した。

09年上期の生産量は、金が3万6701キログラム(1万5052キログラムが採掘分、2万1576キログラムが製錬分)だった。銅は前年同期比59.1%増の3万8165トンを生産。銅精鉱は1万1513トン、亜鉛精鉱は1万4923トン、鉄精鉱は45万5500トン、銀は5万5690キログラムだった。純利益の比率は金が82.9%を占め、その他は銅が14.3%、亜鉛・鉛が1.7%、鉄鉱石およびその他事業が1.1%。

6月末時点の保有鉱山の埋蔵量は、金が704.3トン(08年上期は663.25トン)。プラチナおよびパラジウムが151トン(前年同期と同水準)、銀が1702トン(同1475トン)、銅が967万トン(同937万トン)、亜鉛と鉛が527万トン(同315万トン)、ニッケルが88万5000トン(同66万7500トン)、モリブデンが39万トン(38万5200トン)、スズが10万トン(同水準)、鉄鉱石が2億1890万トン(同1億6700万トン)、石炭が3億トン(同水準)、硫酸鉄が1億3550万トン(同水準)、タングステンが11万6800トン。

BOCIは金属市場の今後の予想値を据え置いている。ただし、金価格が1%変化することで同社の2009年業績が2.8%、純資産価値が1.8%変動するとみている。