石炭契約価格交渉が進展、需要回復に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01171 エン州煤業(イエンチョウ・コール・マイニング) 11.22 HKD
(06/08現在)
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エン州煤業は国内石炭業者との契約価格交渉において、2009年は前年比7%増の784万トンを供給することで契約した。平均価格は1トン当たり429.6元(付加価値税(VAT)除く)で、前年比で9%低い水準。華電国際電力(01071)向けの発電用石炭の契約価格は前年比4%高の1トン当たり463.9元(VAT込み)と、VATを除けばほぼ前年並みとなった。発電用石炭の調達量は前年と同程度の429万トン。その他石炭の契約価格は同19%安(VAT除く)。発電用石炭価格(VAT除く)の変動幅は少なかったものの、暗礁に乗り上げていた価格交渉がようやく決着したことで同社をとりまく不安要素は取り除かれた。

さらに、景気回復の兆しも業界を後押ししている。山東省の発電量が5月はプラス成長に転じ、エン州に近い同省の棗荘におけるセミコークス用石炭の価格も底を打った。また、中国の不動産販売が急速に回復したことで物件の在庫が大幅に減少しており、不動産開発業者は新しいプロジェクトに着手しはじめている。これらの兆候は民間投資の拡大を促し、政府による4兆元の景気刺激策とともに、鉄鋼やセメントの需要を押し上げ、さらには電力需要のアップにつながる。こうしたことから、BOCIは国内石炭価格の今後の動向について、上昇せずとも堅調に推移すると予想している。

BOCIは同社の2009年予想利益を1%引き上げた。政府が税制改革の実施時期を5月から6月にずらしたことを踏まえたもの。

香港株ETFの中国市場上場を控え、A株およびH株の価格差が縮小している。同社のA-Hプレミアムは5月25日から6月5日までに87%から57%に縮小。同期間の株価上昇率はA株が2%、H株が21%だった。BOCIはさらなるH株の上昇を見込み、同社のA-Hプレミアムが30%まで縮小すると予想。株価(H株)の先行きを中立から強気の見方に引き上げている。