ドル円ピークアウトで、円ロング再始動。

IMMポジション推移

080901

円: 円ロング前週比19.3%増

CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による8月2日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネットロング枚数は、前週比19.3%増加して41,700枚になりました。4週間ぶりにロングポジションが増えました。

内訳をみると、円買い越し(円ロング)枚数が前週比プラス3.4%の一方、円売り越し(円ショート)枚数はマイナス10.8%になっています。

7月のドル円は、半月足らずのうちに7.5円も円安が進みました。ところが、月末のFOMCと日銀会合が終わった途端に、今度は101円台へと逆戻りを始めることになりました。円安で調整を余儀なくされていたIMMのポジションも、ドル円が100円割れを目指して下落するのを見て、再びロングポジションを増やしはじめたようです。

27日に開かれたFOMCは、市場予想通りFFレート誘導目標の0.25-0.50%据え置きを決定。しかし、声明では「短期的なリスクは後退」したとして、労働市場の回復や、英EU離脱後の金融市場の安定を評価。年内利上げを十分に期待させる内容でした。しかしドル円の反応はイマイチで、106円まで上昇した後、すぐに105.13円まで下落しました。

一方日銀は、29日の会合において、金融緩和の強化としてETF買い入れ額を倍増して年間約6兆円にすることを決定しました。しかしそれ以外については、三次元の金融緩和の「質(資産買入れ方針)」、「量(マネタリーベース)」、「金利(マイナス金利)」の全てにおいて現状を維持。一部では日銀の緩和限界説もささやかれ、ドル円は105円台半ばから102円台へ急落しました。

また、米4-6月期GDPは予想を大きく下回る弱い内容で、さらに過去分も下方修正されました。FOMC後から盛り上がりつつあった米利上げ期待に水を差し、売り地合いだったドル円はさらに下げ足を速めると102円台を通り抜けて、101.97円まで大幅下落しました。

080902