ポンドとユーロのネットショート増える。豪ドルロングは小休止。

IMMポジション推移

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ユーロ: ネットショートは前週比12.7%増加。

ユーロのネットショート枚数は、前週比12.7%増加して112,600枚になりました。6週連続の増加となり、枚数は今年1月26日の週以来となる10万枚を超えました。

英国民投票直後のパニックがおさまり、しだいに冷静になるにつれて欧州ではEUを離脱する英国よりも、それを引き起こしたEUの官僚主義に強い批判が集まっています。今のところ、ユーロにとっての明るい材料は、経済的にも政治的にも見当たらず、ショートの積み増し方針はまだ続くと考えます。

 

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豪ドル: ネットロングは前週比5.7%縮小。

豪ドルのネットロング枚数は、前週比5.7%減少して31,510枚になりました。ロングに転換して以来連続して倍以上のペースで枚数を積み増してきましたが、3週目にしてややポーズが入りました。

英国のEU離脱決定が欧州の金融緩和を加速させ、一方で、米利上げ時期が後退しているなかで金利の比較優位性から豪ドルが買われています。豪ドル高には、欧米経済に対する悲観が多分に織り込まれていると考えてよいでしょう。
逆の見方をすると、欧州景気が意外に底堅い、あるいは米利上げ確率が高まるといった材料でこの流れが一気に逆転するとことも考えられます。
 

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ポンド: ネットショートは前週比8.3%増加

ポンドのネットショート枚数は前週比8.3%増加して、80,572枚になりました。英国EU離脱が国民投票で決定して以来、ショートポジションは4週連続で増加を続けています。

EU離脱決定直後のパニックはおさまり、ポンド相場も徐々に落ち着きを取り戻しています。とはいえ、投票直前の高値(1.500ドル)水準から比べるとまだかなりのポンド安で低迷しています。

EU離脱によって、経済的デメリットはもちろんのこと、まずは離脱するという、誰も経験したことのない、複雑かつ困難なプロセスが待ち受けています。そう考えると、中期的にはポンドのショートこそが正当なポジションといえます。しかし短期的には、過剰ともいえる悲観が抜け落ちて、ポンドを一気に売り進めることには慎重になっているようです。
 

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