英国民投票直前のポジションは?

IMMポジション(06月21日分)

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円:

CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による6月21日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネットロング枚数は、前週比6.1%減少して52,296枚になりました。

6月15日に開催されたFOMCでは、予想通りFF金利誘導目標を現行の0.25-0.50%に据え置くことを決定。しかし、タカ派のジョージ・カンザスシティ連銀が利上げから据え置きへと回るなど、メンバーの間では利上げに慎重な見方が広がりました。同時に発表されたFOMCメンバーによる金利見通し(ドットチャート)では、年内2回の利上げの想定が維持されましたが、2017、18年の見通しが引き下げられました。ただし、イエレン議長はこの時点では7月利上げの可能性を排除していません。FOMC後にも106円台を守ったドル円でしたが、皮肉にも、翌16日の日銀会合が円高の引き金になってしまいました。

英EU離脱リスクとFOMC利上げ見送りで、リスク回避モードに傾いていたトレーダーは、機会があればセーフヘブン通貨の円を仕入れたいと思っていました。そこに黒田総裁が政策の現状維持を決定したことに加え、将来の追加緩和の時期も未定だったことが、円買いを後押しする絶好のタイミングになりました。ドル円は、節目の105円をあっさり抜けると2014年8月以来となる103.53円まで急落しました。

しかし、急速に円高をチャンスとして、新たに円を売り建てる(ドル買い/円売り)強い意向も現れたようで、ネットの円ロング枚数は縮小しています。

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