円ロング6割減

IMMポジション推移

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円:

CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による5月24日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット・ロングポジションは、前週比62.6%(と大きく)減少して+22,059枚になりました。

ネットのロング(枚数)は過去最高水準となる71,870枚まで積み上がった後、4週連続で減っていましたが、ここにきて大きく枚数を減らしました。内訳では、円買い越し(円ロング)枚数が前週比マイナス36.4%に縮小の一方、円売り越し(円ショート)枚数は前週比プラス20.1%拡大。

5月18日公表のFOMC議事録で、FOMCの多くのメンバーが、「6月の利上げが適切」と考えていることが明らかになったためです。今年後半まで利上げなしと考えていたマーケットは驚き、ドルに殺到。ドル円は5月になって初めて110円台を回復すると、5月20日は110.59まで上昇しました。

もちろん議事録に書かれているのは、4月のFOMC時点の、いわば過去の見通しであり、「4-6月期の成長加速や物価上昇などが確認できれば」という条件がついています。しかし、第2四半期に入ってからの米経済はその期待を裏切ることなく、失業率はほぼ完全雇用といわれる水準まで低下、個人消費も力強く、インフレ指標もFRBの目標通りに上昇。イエレン議長が懸念する海外情勢についても、中国市場は落ち着きを取り戻し、原油価格も一時50ドルに乗せました。その結果利上げ確率は急速に高まり、円ロングポジションも大幅に縮小したのです。

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