ドル円、一時105円台へ。

ドル円チャート(4月27日-5月6日)

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02日(月):連休の谷間のドル円は106円台で上値が重い。

月曜日のドル円は、東京は連休の谷間、ロンドンはアーリー・メイ・バンク・ホリデーの休日のため、方向感に欠けた取引となりました。下値は先週の安値を0.10円ほど更新しましたが106円台は維持。ただし上値も重く、NY時間にいったん106.82円まで上昇したものの、再び106円台前半に押し戻されて引けました。終値は、先週金曜日とほぼ同レベルの106.399円(前日比+0.094円)。

黒田日銀総は「最近の円高は日本経済に悪影響をもたらす恐れがある」と発言。麻生財務大臣も先週、介入の可能性を示唆しましたが、マーケットは懐疑的です。ドル円ほどではないにせよ、ユーロドルも年初から7%近くユーロ高が進んでいます。日本と同じく為替監視国に指定されているドイツが、円安誘導を許すとは思えません。米欧の協力なくして為替介入は不可能です
 

03日(火):ドル円、一時105円半ばまで円高進む。

この日RBAは、政策金利を2.0%から過去最低となる1.75%に引き下げました。デフレ懸念の抑制が目的で、スティーブンス・RBA総裁は、「最近のインフレデータは予想外に低水準だ」との声明を出しました。市場の大半が据え置き予想だったことから、豪ドルは大幅下落。対ドルで0.77ドル前半から0.75ドル台半ばに急落した後、NY時間には0.7483ドルまで売られました。豪ドル/円も、日中高値の81.95円から79.51円まで一時2.40円超の下落となりました。

106円台前半で取引していたドル円は、豪ドル/円が主導する形で2014年10月15日以来となる105円台に突入しましたが、105.51円まで下げた後は徐々に買いが集まり、106台後半まで自律反転。ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が、6月の利上げを支持すると述べたこともドル買いの材料になりました。終値は106.662円(前日比+0.263円)。
 

04日(水):ドル全面高。ドル円は107円台に急反発。

この日の円相場は、前日に105円台まで売られた反動の買戻しで、アジア時間早朝に107.44円まで上昇。これが当日高値となりました。2円超の急反転でしたが、特定の理由があったわけではなく、105円台を見て一応の達成感が出たこと、また週末の米重要指標に備えたポジション調整と見られます。

ドル円はしばらく107円を挟んだ取引が続きましたが、NY時間に発表された4月ADP全米雇用報告が予想を下回ると、106円台前半まで下落。しかし勢いは加速せず、4月米非製造業ISMの強い結果を材料に再び107円台に反発しました。終値は106.979円(前日比+0.317円)。
 

05日(木):ドル円は107円台で方向感出ず。本日の指標待ち。

5日の円相場は、強い方向感が出ず107円を挟んだ取引が続きました。NY時間に新規失業保険申請件数が予想を下回ったことで106.80円に下落した後、安倍首相の円高牽制発言で107.50円まで反発。これがレンジの上下になりました。終値は107.261円(前日比+0.282円)。
 

06日(金)米雇用統計後もドル円は107円台を維持。

米労働省が発表した4月の米雇用統計は、失業率は5.0%で前月から変わりませんでしたが、非農業部門雇用者数は、前月比+16.0万人と昨年9月以来の低い伸びにとどまりました。また前月分も下方修正されました。内訳では、建設部門と小売部門の弱さが目立ちました。

市場は、20万人程度の増加を予想していたため発表後は失望感かによるドル売りが強まり、ドル円は106.43円まで下落。ユーロ/円も2013年4月4日以来の安値となる121.48円まで急落しました。

しかし、「雇用統計は期待より弱かったが、(年内2回利上げの)見通しに大きく影響しない」とのダドリー・NY連銀総裁の発言が行き過ぎた悲観論を牽制すると107円台を回復、107.086円で取引を終えました。ユーロ円も122円台に戻して122.098円で引けました。一方、ユーロ/ドルは発表直後1.1472ドルまで急上昇した後、1.13863ドルまで押し戻されました。

円、ユーロとも、雇用統計後に一時的な乱高下はあったものの、終値ベースでは前日とほぼ同水準でひけました。しかし豪ドルは例外で、豪ドル/円は前日比-1.135円、豪ドル/ドルは-94.9ポイントの豪ドル安水準となりました。RBAが、利下げを実施したことに加え、金曜日に公表した四半期金融政策報告(SoMP)において2016年のインフレの見通しを大幅に引き下げたことが、豪ドル先安観をさらに強めることになりそうです。