先週のドル円チャート(2月29日-3月4日)

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先週の動き

29日(月):112円台へ下落。先週末の円安が早くも失速。
月曜日の米ドル/円は反落。
先週末113.98円まで円安に戻った米ドル/円は、G20後の月曜は朝から売りに押され、東京時間午後には113円を割りこみました。金曜日とは一転して、この日の米指標が弱かったことも売りを強め、NY時間の引けにかけて112.66円まで円高が進みました。終値は112.658円(前日比-1.307円)。
G20では、低成長、低インフレに対する具体案はなにも示されず、リスクオンのきっかけを求めていた投資家を失望させることになりました。
なお、中国人民銀行は3月1日預金準備率を50ベーシスポイント引き下げると発表しました(引き下げは2015年2月以降で5回目。)が市場の反応は限定的でした。


01日(火):週安値となる112.15円をつけた後、114円台まで回復。米ISMを好感。
火曜日の米ドル/円は東京時間朝に112円台前半まで急落したものの、午後には113円前半まで切り返しました。
中国PMIが弱かったことにもめげず中国株価が堅調さを保ったのを見てリスクオフ姿勢がやわらぎ、ドル買いにつながりました。海外市場では円安の流れがさらに強まりました。米2月ISM製造業景況指数は予想を上回り、さらに前月より改善していることを材料に、114.18円まで上昇。終値は113.963円(前日比+1.305円)で、月曜日の下げ分を取り戻しました。

ユーロ/ドルはECB会合での追加緩和を意識して頭が重い動き。一時1.0834ドルまで値を下げましたが、売りも限定的で、引けにかけては始値水準付近まで戻しました。ユーロ/円は、東京時間朝に122.06円の安値をつけた後、海外時間で124.08円まで回復しました。

ポンド/ドルは、製造業PMIの大幅悪化を背景に、一時1.3900ドル前半まで急落しましたが、その後急反発。ストップを巻き込んで1.4018ドルまで上昇後、再び1.3904まで押し戻されるという荒い展開となりました。一方ポンド/円は、米ドル/円の上昇に支えられて、一時159.52円までポンド高・円安が進みました。

豪ドル/円は大幅上昇。
この日発表の中国PMIは、事前予想を下回ったうえに、前月から更に低下となりました。これを嫌って豪ドルが売られ、豪ドル/円も79.811円へ下落。しかし、RBAが予想通り政策金利2.0%の据え置きを決めたことをきっかけに買戻しが入ると80円台を回復。海外時間は、原油価格が1ヵ月ぶりの高値をつけたことも好感して、81.96円まで大きく値を伸ばしました。

02日(水):週高値となる114.55円まで上昇後、113円前半に押し戻される。
前日の欧米株価上昇の流れを引き継いだ日経平均株価は、一時上げ幅が700円を超える大幅続伸。米ドル/円は114.45円まで伸ばしましたが、その後しばらく114円台前半で小動きの取引が続きました。
NY時間に発表された2月ADP全米雇用報告は予想を上回る+21.4万人の強い結果で、直後に114.551円まで高値を更新。しかし、すぐに売りに押されて、当日安値となる113.12円まで値を切り下げることになりました。米ドル/円は113円台を守ったものの、上値の重さを改めて確認した1日となり、113.448円(前日比-0.515円)で引けました。

欧州通貨では、ポンドの買戻しが目立ちました。ポンドは、対ドルで1.400台を回復するとともに対ユーロでも値を伸ばし、ユーロ/ポンドはブリグジットで急落する前のレベルである0.7689ポンドまでユーロ安・ポンド高が進みました。ポンド/円も、一時2月22日以来の160円台を回復しました。

豪ドルは大幅上昇。豪10-12月GDPが予想を上回る強さとなったことが買いの原動力となりました。豪ドル/ドルは、海外市場に入ってさらに値を伸ばし、今年1月4日以来となる0.73005ドルの高値をつけました。豪ドル/円も続伸。高値は82.904円で、2日連続で1円以上の上昇となりました。

25日(木):114円台ステイは3度目の失敗
東京時間の米ドル/円は、朝方は調整的な売りで113.40円近辺まで下落しましたが、厚い買いに支えられて持ち直すと、株価上昇を追い風に114.26円の高値をつけました。日経平均は3日連続の続伸で、心理的な節目となる17,000円に迫る動きとなりました。
しかし、米雇用統計を本日に控えてレンジを上抜けする勢いはなく、再び114円を割ると113.28円まで下落。この日発表された2月米非製造業景ISMは市場予想を上回ったものの、雇用の指数が節目の50を下回り、前日のADPの強さを打ち消したことも、ドル買いを消極的にさせました。終値は113.677円(前日比+0.229円)。
一方、欧州通貨は上昇。ブリグジットを理由にパニック的に下がったポンドの買戻しが続いています。英2月サービス業PMIの悪化で一時反落したものの、終盤にかけては盛り返し、それぞれ161.29円、1.4194ドルの高値をつけて引けました。
ユーロも、欧州指標がおしなべて堅調だったことが支援材料となって、ユーロ/円は124.59円、ユーロ/ドルは1.0972ドルまで上昇しました。

また、原油価格が一時35ドル台に乗せたことが資源通貨買いに弾みをつけました。豪ドル/円は3日連続で豪ドル高・円安が進み、2月8日以来の高値となる83.79円の高値をつけました。

26日(金)米雇用統計は強かったが、またも114円で押し戻される。
金曜日NY市場の米ドル/円は、雇用統計発表後は114円を挟んで売り買いが交錯。
米労働省発表の2月雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+24.2万人と市場予想(+19.3万人)を大きく上回りました。米労働市場の改善が続いていることを確認した米ドル/円は買いで反応、114.25円の高値をつけました。しかし、平均時給(AHE)が2014年12月以来のマイナスに落ち込んでいることを理由に、一転113.11円台まで下落。その後114円台を回復する場面もありましたが、木曜日の高値である114.27円を超えられず、改めて頭の重さを確認することになりました。終値は113.777円(前日比+0.10円)でした。

ユーロ/ドルは雇用統計発表後に1.09032ドルまで下落した後急反発。ECB会合を前にしたショートカバーもあって、先週の高値となる1.1043ドルまで上昇しました。ECB理事会メンバーの一部から、追加緩和の効果を疑問視しているとの報道もユーロ買い戻しの材料になっています。ユーロ/円も125.59円で値を伸ばしました。

資源通貨は大幅上昇。米国の利上げ見送りが濃厚なことに加え、原油価格など商品価格が回復していることで、豪ドルとカナダドルは対ドルで今年の高値を更新。対円でも、約1ヵ月ぶりの高値をつけました。

ピボット分析: 今日の中心レンジ 113.19 - 114.32

3月7日ピボット表

ピボットとは、前日の値動きをもとに、今日のサポートやレジスタンスを計算するテクニカル指標です。海外では多くのトレーダーがデイトレードのエントリーやエグジットレベルとして活用しています。

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