先週のドル円の動き(2月22日-26日)

ドル円1時間足チャート

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22日(月)
月曜日のマーケットは、米ドル/円から関心が離れ、欧州通貨へと移りました。
キャメロン英首相は6月23日の国民投票で国民にEU残留を支持するよう呼びかけましたが、ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏が離脱を支持したため、ブリグジット(Brexit)リスクが急速に高まることになりました。報道が伝わったのが東京時間午前で、欧州市場が明けると同時にポンド売りが殺到。ポンド/ドルは一時1.4057ドルまで急落して2009年3月以来7年ぶりの安値を更新すると、ポンド/円も2013年11月以来の安値となる159.13円まで売られました。ただし英株価は、ポンド安は輸出の追い風になるとの見方から上昇しました。

ポンドに連れ安となったユーロ/ドルは1.1003ドルまで下落。ユーロ/円は続落して2013年4月5日以来の安値となる124.36円をつけました。一方で、NY原油価格が31ドル台へ反発したことが追い風になって資源国通貨は上昇。豪ドル/円は82.03円まで一時上げ幅が2円を超えました。

米ドル/円は強い方向感が出ないまま、113円を挟んで、上は113.38円、下は112.42円の取引に終始しました。終値は前日比0.344円高の112.909円でした。


23日(火)
火曜日もブリグジットがメインテーマとなって、ポンド/ドルは大幅続落。
昨日つけた2009年3月からの安値を更新して1.4007ドルまで売られました。ポンド/円も2日連続2円超の大幅下落。安値は156.97円。また、下落はポンドにとどまらずユーロにも及び、ユーロ/ドルはIFO景況感指数の悪化を材料に1.100ドルを割ると、一時1.099ドルまで売り込まれることに。ユーロ/円も続落、2013年4月4日以来の安値となる123.06円まで沈みました。ユーロ/ポンドは上昇していることから、ポンドの下げがユーロよりきついことがわかります。

一方、米ドル/円は、東京時間に高値となる113.05円から1円下落。その後は方向感に欠け、112円を挟んだ取引が続きました。終値は前日比0.795円安の112.114円。

豪ドル/ドルは原油価格が一時33ドルまで回復したことを背景に堅調でしたが、NY時間になって、イランやサウジアラビアが原油減産について否定的な見解を述べたことで失速。豪ドル/円は、円高で上値を伸ばせないまま、豪ドル/ドルの反落に巻き込まれ、80.68円まで売られました。


24日(水)
ポンド/ドルは3日連続の下落。昨日つけた2009年3月以来の安値を更新して1.3878ドルまで下落。ポンド/円も続落。安値は154.70円で、この5日間で7円近くポンド安が進みました。またユーロも値を下げ、ユーロ/ドルは1.0956ドルまで、ユーロ/円も122.44円まで、そろって昨日の安値を更新しました。

NY時間になって欧州通貨売りが落ち着くと、今度はドル売りのマーケットに切り替わりました。米ドル/円は2月11日につけた2014年11月以来の安値110.97円に押し迫る111.03円まで下落しました。

しかし原油価格の急回復で風向きが変わると、性急な売りの反動もあって米ドル/円はNY時間午後に112円台を回復。クロス円も、ユーロ/円は日中の下げをほぼ打消し123.60円近辺へ、ポンド/円も156円台半ば近くまで上昇しました。79.58円まで下げていた豪ドル/円も、80.78円まで値を戻しました。


25日(木)
木曜日はリスクオフの動きが一服して、G20を前にポジション調整の1日となりました。米ドル/円は、NY時間に一時113円台までドル高・円安が進みました。

112.18円でオープンした米ドル/円は、日経平均株価の上げと共に112円台後半まで上昇。その後も堅調な欧米株価や原油価格の続伸を追い風に113.024円台の高値をつけると、高値圏を維持したまま前日比0.801円の112.959円で引けました。

ブリグジットをテーマにした激しいポンド売りも小休止。今週に入り1日平均約2円近く値を下げ、水曜日には154.70円の安値をつけたポンド/円も、157.90円まで回復しました。ユーロ/円は米ドル/円に連れて124.63円まで上昇しました。ユーロ/ドルは小動きの一日で、ユーロ圏1月消費者物価指数の下方修正にも反応はありませんでした。

東京時間の豪ドル/円は、豪民間設備投資計画で2016/17年度の投資意欲が過去9年間で最低だったことを嫌気して、80.19円まで売られました。しかし海外時間になって、米ドル/円で円安が進んだことや、原油価格の急騰がプラス材料となって81円台後半まで回復しました。

26日(金)
金曜日のNY市場ではドル買いが優勢になり、米ドル/円は113.988円まで上昇。
一連の米国指標が強かったことがきっかけになりました。特に10-12月期GDP改定値は、ドル高などの影響で下方修正の予想だったところが逆に前期比年率+1.0%へ上昇修正となるポジティブサプライズとなりました。終値も高値を維持したまま、前日比1.006円高の113.965円で引けました。

ピボット分析: 今日のレンジは113.03 - 114.46

2月29日 ピボット表

ピボットとは、前日の値動きをもとに、今日のサポートやレジスタンスを計算するテクニカル指標です。海外では多くのトレーダーがデイトレードのエントリーやエグジットレベルとして活用しています。

26日のNY市場ではドル買いが優勢になり、ドル円は113.98円まで上昇しました。
今日のピボットの113.46(R1)、114.95(R2)がブレークできるか注目したいと思います。

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