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公務員こそ確定拠出年金を用いて老後の資産形成に本腰を入れるべき理由
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

公務員こそ確定拠出年金を用いて老後の資産形成に本腰を入れるべき理由

2016/6/27
先日、とある新聞Aに掲載されていた、とある経済ジャーナリストO氏のコラムを読んでちょっと驚きました。それによれば、今回の確定拠出年金法改正により公務員が確定拠出年金に加入できるようになるのは「超デラックス4階建て年金」だというのです。記事によると…
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公務員はウハウハどころか公務員も退職金400万円カットの時代

先日、とある新聞Aに掲載されていた、とある経済ジャーナリストO氏のコラムを読んでちょっと驚きました。

それによれば、今回の確定拠出年金法改正により公務員が確定拠出年金に加入できるようになるのは「超デラックス4階建て年金」だというのです。記事によると、公務員は会社員と同じ厚生年金の制度になりましたが、これは破たんリスク回避のためで公務員が得をしている。そのうえ「年金払い退職給付」という3階建て制度が新設され、さらに今回の確定拠出年金を加えると4階建て、となりこれは優遇が過ぎると主張しています(厚生年金には国民年金が含まれるため、4階建てになる)。

とりあえず公務員を批判しておけば紙面的には受けがいいのでしょうが、これは不正確な批判です。

まず、3階建て部分を新設したのは、旧3階建て部分(職域部分)の再編であって、何もないところからいきなり公務員優遇が行われたわけではありません。

しかも、この年金払い退職給付という制度に移行するにあたり、民間の退職金水準との調整を理由に、モデル金額で402.6万円の退職金水準カットが行われているのですが、あえてか知らずかその事実は無視しています。

(人事院勧告にもとづく公務員の退職金引き下げの概要についてはこちらから確認できます)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000184241.pdf

また、3階建ての再編にあたっては、終身年金は半分を有期年金にして支払期限が定められたり、遺族への転給などの優遇制度を終了するなどの手直しもされています。むしろバージョンダウンです。

公務員は4階建てでウハウハなのではなく、民間と水準を合わせる中で400万円も少なくさせられるところ、「自分で給与から自腹で貯めて穴埋めしなさい。そのために確定拠出年金を使いなさい」というのが確定拠出年金を公務員に開放する本質的理由なのです。

公務員(旧共済年金の対象者)は440万人ほどいますが、公務員はとかく批判を受けがちで、まっとうな資産形成術はあまり指摘されていませんでした。

ちょっといい機会なので、公務員の投資スタンスはどう考えられるか今回少しまとめてみたいと思います。

公務員こそ自分の資産を投資すべき

公務員が株式投資をするべきかどうかはなかなか難しい問題です。原則として言えば公務員であるか会社員であるかは運用のリスクテイクに影響しません(年収の相対的高さと雇用の安定はむしろリスク許容度にプラスに働く)。また、公務員であるからと投資を強制されてはいけないのは当然のことです。

しかし、公務員が国益や国民の利益のために働くことを本分としているのであれば、国内の株式や国内の債券に投資をすることを妨げるべきではないはずです。

むしろ、公務員がその役割を果たし、国内の経済が成長した場合、リスク市場に資金提供した分の果実が公務員の資産形成にもつながることになります。これは本分を全うすることで現れる副次効果ともいえ、これほど好ましい資金サイクルはありません。

公務員は仕事だけしていればよく、資産管理は何もせずとも余裕がある、というわけではないことは退職金水準の引き下げ政策が如実に示しています。公務員もまた投資と向き合うことが不可避になっている象徴がやはり確定拠出年金加入可能となる規制緩和なのです。

また、公務員の個別株式での投資に難色を示す人もあろうかと思いますが、確定拠出年金なら投資信託を原則としますし、拠出タイミングもコントロールができません。そこはあまり目くじら立てないで欲しいと思います。

繰り返しますが、公務員だからと投資を義務づけるのは行き過ぎです。また海外投資はしてはいけないと言っているわけでもありません。その点では誤解なきようお願いします。

確定拠出年金は公務員の老後資産形成の有効な選択肢たりうる

さて、本論に入るまでずいぶん遠回りしてしまいましたが、今回の退職金水準引き下げは大きな水準引き下げになりますが、公務員が確定拠出年金に加入することで十分にカバーできるものです。

公務員の場合、個人型確定拠出年金に毎月1.2万円の積立枠が認められます。一見すると小さな枠のようにみえますが、入省、入庁が22歳と仮定し60歳まで38年あれば、元本だけで540万円を超えます。すでに40歳で20年の期間しかなかった人でも元本288万円を貯める時間が残されており、これに年4%の運用利回り(実質)を確保できれば440万円になります。

公務員が退職金水準を引き下げられた部分を自分でカバーするとなれば、所得税や住民税の軽減効果もあり、譲渡益非課税メリットもある確定拠出年金の活用がもっとも合理的といえます。

受け取り時には退職所得控除の枠をはみ出る可能性があるものの、それでも超過部分に対する2分の1課税ですから(退職所得扱いのため)、課税額は軽微ですむはずです。

公務員は確定拠出年金口座をどう選ぶか

老後資産形成の補足として確定拠出年金を活用するわけですから、確定拠出年金が60歳まで受け取ることのできない原則もおおむね問題とならないでしょう。

公務員だからと特定の運営管理機関を強制されることもありませんので、自由に個人型確定拠出年金の口座開設先を選択することができます。もしかすると、給与振込口座を多く有している地域系の金融機関が口座獲得セールスを試みてくるかもしれませんが、給与振込口座と確定拠出年金口座を同一のものとする必要はありませんので、自分にとってメリットのあると考えられる金融機関を選ぶといいでしょう。

毎月12,000円といっても、初めて投資を行う人にとっては勇気が必要な金額です。最初は国内株式、国内債券へのインデックスファンドを購入するか、国内外の株式・債券に分散投資されるバランス型ファンドを購入して投資経験を積み重ねていくといいでしょう(正直、それ以上の高度な売買管理はしなくていいと思いますが)。

ただし、購入する投資信託の信託報酬(運用管理費用)が年0.7%を超えてきたら高過ぎの部類です。極力ローコストの投資を行うようにしてください。なお、2017年に向けては各社積極的な取り組みが見込まれ、年0.4%以下くらいの厳しめの設定で金融機関探しをしても十分候補はみつかるのではないかと思います。

2017年、公務員は本気で投資と向かい合うべき年になる

自分の資産が経済の動静に伴い上下動することは、自分の仕事がその一部に影響を与える大きな責任を担っていることを自覚するよいきっかけにもなるのではないでしょうか。

企業型の確定拠出年金でも、制度の導入をきっかけに仕事以外の経済ニュースに関心を示すようになった人が増えたといわれています。投資に向き合うことが、また仕事にも役立つことがあるかもしれません。

経済政策等が中長期的視野で評価すべきように、株価や収益率に一喜一憂するのではなく、中長期的な視点で投資と向き合ってみてください。

どうしても公務員批判を受けることは多く、積極的な投資行動に出ていない人も多いと思いますが、2017年はあえて投資にチャレンジしてみることをオススメします。

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