NISAとの棲み分けでも財形年金は妙味があります。なぜならNISAではリスク資産の保有しかできないからです。定期預金はもちろんMMFですら購入できないため、NISAの譲渡益非課税メリットは、株式投資信託や個別株を保有することで活用します。

しかし、資産のすべてをNISAで投資するわけにはいきません。リスクの取り過ぎ状態に陥ってしまうわけです。NISAと同時に手元で一定額を預貯金で持つことは基本的な選択ですが、同じ預貯金を持つなら非課税メリットが欲しくなります。

つまり、財形年金とNISAを併用することにより、どちらも譲渡益非課税でありつつ、安全性の高い積立と投資を平行できるわけです。

投資比率を意識しながら、3つのアカウントを活用する

アセット・ロケーションを具体的に行うためには、自分の財産に占める投資比率を意識することが必要です。

例えば、全財産に占める投資ウエートを「60%」としていた場合に、「財形年金120万円」「確定拠出年金500万円」「NISA50万円」「その他預金200万円」とあった場合、総額870万円の6割にあたる522万円までリスク資産を持てることになります。

すでにNISAで50万円保有しているので、確定拠出年金内では472万円までリスク資産を持つ、というように税制優遇のある3アカウントを活用していくわけです。

今後、財形年金の積立がはかどって安全資産が増えた場合、確定拠出年金での投資額引き上げと、NISAでの投資額増額などを行いながら、全体としての投資ウエートをキープしていきます。

全体の投資ウエートは、自分の投資が短期的な急落でも継続できるかを考えて決定するといいでしょう。具体的にはリーマンショックレベルの運用損が生じたとき、マイナス18%ほどの下落でしたから(全国の企業年金の平均利回り)、約20%のダウンを想定してみてください。

高金利になったとき、財形の魅力は再認識される

ところで、低金利低金利と連呼してきたものの、財形年金が低金利と決まっているわけではありません。市中の金利水準が低金利であるあおりが財形年金にも来ているだけであり、将来金利上昇時には財形年金も金利は上昇します。

現在は0.2%の20%が課税されたところで、0.14であってどうでもいいや、となるわけですが、2%の金利が20%課税されて1.6%になるとしたらどうでしょうか。0.4%の金利差は大きいと感じるはずです。

しかし、高金利になってからあわてて積立開始しては高金利の非課税メリットは大きく得られません。金利が上がった頃に資産残高100万円くらいあれば、利息非課税のメリットも大きく浮き上がってくるでしょう。

定期預金の積立が投資の強みになる、というのは「なんとなく投資」をしていると気がつかない視点です。今のうちから財形年金で月1~2万円でも積立をしておいてはいかがでしょうか。