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自分を素人投資家と言い訳することの弊害
山崎 俊輔
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自分を素人投資家と言い訳することの弊害

2015/9/14
自分自身を「初心者ですから…」とか「しょせん素人投資家のやることですから」と思っており、わざわざ公言する人がいます。何度も繰り返し発言する人も少なくありません。SNSでは、「素人投資家ですが……」のように枕詞のように毎回つけている人もいます。
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自分を「初心者です」とか「素人投資家」ですと公言する人がいるが

自分自身を「初心者ですから…」とか「しょせん素人投資家のやることですから」と思っており、わざわざ公言する人がいます。何度も繰り返し発言する人も少なくありません。SNSでは、「素人投資家ですが……」のように枕詞のように毎回つけている人もいます。

本コラムの連載目的は、投資ビギナーをステップアップさせていくことです。自分が投資経験が浅く投資知識も十分でないことを自覚することはステップアップに欠かせないことです。しかし、自分を素人ですからと卑下するような態度はあまりいいものではありません。

「なんとなく投資」からステップするにあたって、自分を素人投資家と名乗ることの弊害を考えてみます。

素人や初心者向けの優遇レートは存在しない

大原則として確認しておきたいのですが、資産運用に関しては初心者が得をすることは基本的にありません。

マーケットにおいて、投資初心者の1万円と、機関投資家の1万円の投資売買があったとき、何か初心者が配慮されることはありません。ベテランが初心者に何か手心を加える余地もありません。

つまり、ゴルフのハンディキャップのようなものもありませんし、初心者向けのプレイルームもないわけです(バーチャルトレードはありますが)。

販売を担当する金融機関についても、何かあなたの運用成績をサポートしてくれるわけではありません。もちろん元本割れしたときも補てんをしてくれることはありません。

初心者向け、と呼ばれるような投資商品のほとんどは機関投資家も購入できますが、たいていのベテラン投資家は初心者向け商品を購入しません。初心者向け商品である手数料が高かったり、無用な投資方針を採用することでむしろ運用管理がややこしくなることが多いからです。

むしろ機関投資家のほうが私募投信のような商品の購入機会が得られたりしますし、購入金額のロットが大きいほうが運用の手数料も低くなります。公的年金の運用は0.1%より低いといわれているほどです。

いずれにせよ、「初心者だから誰かが助けてくれる」と思うことはまったく無意味ですし、そう思う「甘え」は捨てるべきです。

周囲(特に金融機関)につけいる隙を与える

投資初心者である、ということをわざわざ公言する必要がないことのひとつに、投資初心者向け商品はどうでしょうか、のような営業アプローチを招くことがあります。

ほっておいても金融機関はあなたの投資経験を聞きます。適合性の原則を確認する、という建前で顧客の投資経験を確認することができるからで、投資経験が浅い人はすべての投信ラインナップを勧められないことがあります。

投資経験をもつ期間が短いことばかりは知識で補うことができません。しかし、投資理解度において自分が素人レベルであることをわざわざ公言する必要はありません。

繰り返しますが、投資初心者だからと公言して、配慮された商品提案が行われることはあまり期待できませんし、投資初心者向けといわれるような商品をあえて買う必要はありません。それに、そもそも初心者なのだから、それが「初心者向け」商品かどうかの見分けもつかないはずです。初心者と公言することはむしろカモにされるリスクを高めるばかりです。

投資初心者は仕組みがシンプルで騰落の理由も理解がたやすいインデックスファンド(もしくはETF)からスタートすればよく、またリスク管理が心配なら投資金額を下げてスタートすればいいだけのことです。

いずれにせよ、「初心者です」と公言してわざわざ脇を甘くする必要はないわけです。

自分で自分の運用下手を許す理由を作っている

もうひとつ、自分で自分を初心者と名乗ることの最大のデメリットは、自分を許してしまったり、自分に線引きをして成長の余地をわざわざ摘んでしまう懸念です。

努力とか根性のようなことを投資に持ち出すのはあまり好きではないし、間違いだと思っていますが、投資においては勉強や経験により学ぶ余地が多くあります。同じ経験や学習の効果がどれだけ得られるかは個人格差があるものの、少なくとも自分にわざわざ「初心者」「素人」とリミットを引いている人は成長の伸びしろが小さくなってしまうはずです。

プロは才能があるからプロで、アマチュアは能力がないからアマチュアなのだと思う人が多いのですが、これは正しい理解ではありません。プロとアマチュアの間には、その能力を磨き続ける労力(時間)の差が顕著にあり、結局のところ「自分はアマチュアだから」と、成長する意識を持たないからこそ能力差はどんどん拡大しているわけです。

これはアートの世界に限る話ではありません。投資においても、「素人」とか「初心者」と自分に言い聞かせることで、自分はたいした成績があげられないことが当たり前なのだと思考停止してしまい、成長が止まってしまうリスクがあるわけです。

自分を「投資初心者ですから……」「素人投資家ですから……」とブログ等で連呼する人はどうも、自分で貼ったラベリングに自分を押し込んでしまっているように思います。わざわざ自分を過小評価するようなメンタルについては無意味です。

自分が運用下手でもいいのだ、と自己正当化しないようにしてほしいと思います。

個人が投資においてはプロになる必要はないが、素人のままマーケットをぶらついてはいけない

今日のコラムは個人投資家の奮起を促しているようですが、プロになれといっているわけではありません。

どんなに資産運用を行ったとしても、私たちのメインテーマは家族やプライベートの時間の充実であり、仕事をしっかりやって稼ぐことです。

仕事で一生涯稼ぐ金額以上を運用で稼ぐことはまずありません。また、どんなに稼いでもプライベートを置き去りにせざるを得ない運用管理は本末転倒です。

自分の投資金額について、賃金上昇率やインフレ率を上回る程度の期待リターンを中長期的に確保し、短期的な急落が致命的にならない程度のポートフォリオのリスクコントロールができるようになれば十分です。

(こういうと難しいようですが、資産配分だけ考えて低コストの分散投資を継続するだけで十分です)

大事なことは、「なんとなく投資」をしている「自称初心者」「素人投資家」の域を脱して、未熟なりに自分の投資判断で自己責任を伴う売買を行う「個人投資家」になることです。

筆者は名刺に投資教育家と書いていますが、素人と言い訳をしたり、いちいち初心者と断り書きをつけることのない、本当の個人投資家が増えてくれるといいなと思っています。

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