図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

出所:マーケットスピードより楽天証券作成

雇用統計はmixed。メタルは堅調(2016年7月11日(月)掲載分より)

今週最大の注目点6月の米雇用統計が発表されました。Non-farm Payrollのアナリスト予想は18万人の増加でしたが、発表された数字は28.7万人の増加と予想を大きく上回るよい数字でした。そのためゴールドは発表直前の1,355ドル近辺から1,335ドルまで下落。しかし同時の発表された5月の速報値である3.8万人が1.1万人増とさらに悪化した数字で確定したことから、ゴールドはすぐに切り返して一時間以内に1,370ドルまで上昇すると言った神経質な動きとなりました。そもそもこの5月の数字が予想を大きく下回る数字であったことによって、ゴールドは一挙に上昇トレンドに入りました。(下チャート)そして今回はこの3.8万人がさらに悪化して改訂、ところが6月の数字は予想よりも遥かによい数字となったことで、マーケットは判断に苦しんでいますが、ゴールドは結果的に雇用統計発表前よりも上昇して一週間を終えました。Nymexの投資家ポジションは依然として増え続けており、1,100トンをはるかに超えました。もはや1,000トン天井というくびきも無くなったようです。英国ポンドは下げ続けており、その資金逃避先は米国債、日本円、そしてやはりゴールドです。この流れはまだまだ続きます。ゴールドはやはり上昇する可能性が高いと言えます。ということで、今朝もGlobex のOpeningから上がっています。

PGMは今週から南アプラチナ鉱山の最大労組AMCUと三大プラチナ鉱山会社との賃金交渉が始まります。組合側は最低賃金労働者の給与は47%の賃上げを要求するとういうことのようです。これに関してはまた別途書きたいと思います。そのせいもあってPGMともに上昇基調にあります。

CFTC Commitments of Traders Report as of 05 Jul 2016(2016年7月11日(月)掲載分より)

出所:池水氏のレポートより抜粋

投資家ロングは1,101 トンから1,157トンへ増加。もはや1,000トン天井は過去のことになった?

雇用統計前で反落(2016年7月8日(金)掲載分より)

ゴールドは反落。昨夜発表された民間のADPの雇用統計は、NFPの予想の158,000人増を超える172,000人という数字であり、失業者数も269,000人の予想に対して254,000人と総じてよい数字が出たことにより、今晩の本ちゃん雇用統計を前にとりあえずの売りが先行したようです。5月がびっくりの数字だっただけに、今晩の数字の持つ意味は大きいですね。今朝の6時のNHKニュースでも取り上げられていました。Let’s see how it goes.日本時間の21時半になりますね。

英ポンド安止まらず(2016年7月7日(木)掲載分より)

相変わらずしっかりな状況が続いています。先週金曜日の高値を抜けて、昨日は1,375ドルまで上昇しました。英国ポンドは売られ続けており、昨夜は一時1.2795まで下落しました。ポンドの動きがそのまま英国の将来に対する不安を表しているといえ、それはそのまま安全資産、つまりゴールド、米国債、日本円などへの資金逃避につながるといえるでしょう。ゴールドはやはり1,400ドルへの動きになるのでは。シルバー、プラチナ、パラジウムともに今週前半の大きな上げは一服しましたが、シルバーは20ドル、パラジウムは600ドルを下固めできるかどうかが重要なポイントになりそうです。

少し落ち着いて、次は明日の雇用統計にその興味は移ります。前回5月の数字が驚愕の3.8万人という数字だっただけに、その数字が改定されるのか、また6月はどうなっているのか気になりますね。Bloombergのアナリスト予想の平均は18万人増ということになっています。

SPDR Gold ETF 30トンの増加!Gold 新高値(2016年7月6日(水)掲載分より)

ゴールド以外が大きく伸びた月曜日でしたが、昨日はまたゴールドに動きが集中しました。アジアで午前10時過ぎにゴールドが1,352ドルから1,340ドルまで10ドル以上の急落、これにしたがってほかのメタルも下げました。その後は小動きとなりましたが、ニューヨークでは再び1,350ドルまで上昇したあと1,342ドルまで下落、それからは大きく上昇して高値は1,357ドルで、引けもほぼ高値圏で終わりました。そしてGlobexのreopenからはまたゴールドが上昇で、先週金曜日につけた高値1,359ドルを抜いて、現在1,360ドル台にあります。またゴールドの上昇始まりそうな雰囲気。シルバーはゴールドの下げのときに20.43から19.53までほぼ1ドルもの急落を演じました。大きく上がっていたからだとはいえ、やっぱりシルバーのVolatilityは半端ないですね。

そしてGold ETF。今朝のSPDRの数字はなんとプラス28.8トンで983トン!ゴールドへの資金流入がとまりません。一日でこんなに増えたのはちょっと記憶にないですね。

金銀比価一時64:1へ急落(2016年7月5日(火)掲載分より)

昨日はNYが独立記念日でお休みだったので欧米での動きはあまりありませんでした。アジアでは午前中から昼にかけて大きく上昇。ゴールドは一時1,354ドルまで上昇しました。しかしその動きを牽引したのはシルバーのようです。20ドルを超えたところで、ストップもしくはテクニカルな新規買いで20.50までジャンプ、その後もこれを好感した買いが続き、シルバーは21ドルをも超えて瞬間的高値は21.13ドルを付けました。さすがにそのレベルは瞬間的ですぐに反落、その後は20ドル台半ばから前半での推移となりましたが、この動きがゴールド、そしてPGMをも牽引したと思います。先週はそれまでの、どちらかといえばゴールド一辺倒だった買いが、さすがにゴールド一極集中への警戒感もあってか、ほかのメタルに循環してきたようですね。金銀比価は一時64:1まで急落、Gold-Pt Spread は280ドルまで縮小しています。金銀比価のこのレベルは2014年8月以来となります、今年2月末には84:1までシルバーが割安になっていたことを考えると大きな修正の動きがようやく入ってきました。やっぱり80分の1は行き過ぎでしたね。