図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
Goldしっかり、PGM急騰!(2016年3月7日(月)掲載分より)
金曜日は雇用統計でした。それによって激しく動きました。発表前の欧州ではゴールドは上昇、1,275ドルまで上げたあとに下落、雇用統計は予想を大きく上回る数字となり、(NFP19.5万人増加の予想に対して24.2万人増)ゴールドは1,250ドルまで売り込まれましたが、その後急激に上昇。よい数字であってもゴールドの下値が限られたことが返って強材料と考えられたのでしょう、大きく上昇し、わずか90分でほぼ30ドル上昇し、1,279.90ドルまで上昇しました。そしてその後は利食い売りなのか、1,259ドルまで下げて一週間が終わりました。結果的には東京の引けとほぼ変わらずのレベルとなりましたが、ゴールドのレンジは1,250-1,280とまた少し上がった印象です。Gold ETFは相変わらず増え続けていますが、土曜日早朝発表になったCFTCのゴールドNymex投資家ポジションは、年初から毎週100トン内外の買いが続いてきていましたが、今週は17トンとその増加のペースは大幅に減速。高値警戒感が現れているのかもしれません。
金曜日はむしろPGMの大幅な上昇が目をひきました。プラチナは989ドルまであり、一日で40ドル以上の上げ、パラジウムも一時563ドルと25ドルの上げとなりました。特にパラジウムは昨年後半からずっと弱気相場が続きましたが、11-12月、1-2月の二つの弱気ボックスを抜け出し、一挙に上昇したことで今後の展開が楽しみな形になってきました。
CFTC Commitments of Traders Report as of 01 Mar 2016(2016年3月7日(月)掲載分より)
投資家ロングは612トンから630トンへ増加。このところ毎週100トン以上の買いが入っていましたが、今週は17トンの増加と少しスローダウン。
Gold 13ヶ月ぶりの高値(2016年3月4日(金)掲載分より)
下の24時間チャートでみればよくわかりますが、アジア(青いボックス)・欧州(緑のボックス)時間帯はほとんど動きなし。しかしNY(オレンジのボックス)が始まるとゴールドはしばらく続いたレンジをようやく上に抜け、昨日はニューヨークでどんどん上昇しました。高値は1,268ドルで、これは昨年2015年2月以来の高値になります。やはり、ゴールドまだまだ底堅いですね。昨日発表された米経済指標がいまひとつの内容であったことがきっかけであったようですが、それよりもやはり、ゴールドの地合いが強いということだと思います。Gold ETFへの資金流入はとどまるところを知らず、まだまだ上値があると思います。昨日も書きましたが、今晩の雇用統計、よい数字が出てもあまり下がらないのではないか、そしてもし悪い数字が出ればゴールドはさらなる上昇の可能性が強いと思います。今は下落よりも上昇のリスクを考えるべきでしょうね。
昨日はゴールド以外のメタルも大きく上昇しました。特に目立つのはパラジウム。Nymexに1,600lotsの買い20分間に入り15ドル上昇、その後も堅調に推移しました。ショートカバーもしくは新規買いかはまだわかりませんが、ここまで低迷を続けてきたパラジウムがここで本格的に反騰となるのか、それとも一時的なショートカバーなのかは今後の注目となりそうです。他のメタルよりも売られすぎていただけに戻るときも大きいですね。昨年後半の長い間のサポートであった550ドルを回復すると、マーケットは変わってくると思います。
レンジを抜けず(2016年3月3日(木)掲載分より)
何日も同じことを書いていますが、なかなかレンジを抜けませんね。もはやほぼほぼ一ヶ月同じ1,200-1,250ドルレンジでの動きになっています。このところは1,220-1,250の動きで今日はその上辺である1,240ドルで戻ってきました。
金曜日は米雇用統計ですが、それに先立つ民間ADPの雇用統計が昨日発表され市場予想の185,000人のNonfarm payrollに対して、214,000人増と予想を上回る数字でした。それでもゴールドは上昇。そしてETFはまた大きく増加しており、投資家のゴールドへの回帰は続いています。雇用統計で少々よい数字が出ても、今のレンジを下回るほど売られそうにはありません。逆に悪い数字が出た場合はドル売り・さらなるゴールド買いが出て現在のレンジを上にブレイクの可能性が高いのではないでしょうか。
増え続けるGold ETF(2016年3月3日(木)掲載分より)
年初からの増加量は254トンとなりました。とにかくノンストップで増え続けています。2014年9月以来の残高になっています。
Pd大きく上昇(2016年3月2日(水)掲載分より)
昨日もまたレンジでの取引となりました。このところ毎日です。アジアでは1,235-1,248、欧米では高値は同じ1,248ドルでしたが、株価およびドルが大きく上昇したことから下落、1,227ドルまで下がり終わりは1,232ドルと、値幅は大きいですが、いつもと同じレンジのままです。
Gold ETFは相変わらず増え続けています。昨日もまたSPDRは15トン近く残高が増加しています。
昨日目だったのはパラジウム。490ドル台から一時は520ドルを越えるまで上がりました。ちょっとその理由がまだわかりません。
レンジ内で上昇(2016年3月1日(火)掲載分より)
昨日もまた中国要因でゴールドは動きました。PBOC(中国人民銀行)がその預金準備率を0.5%カット(過去1年で5回目)し、金融市場の不安の払拭を目指したことが逆に現状の深刻さを投資家に意識させたのでしょう、ゴールドはほぼ一日を通してしっかり、アジアは1,220ドルから1,230ドルへ上げ、欧州は1,226-1,235ドル、そしてニューヨークは1,226-1,240ドルとレンジをじょじょに切り上げていきました。下のコラムでも書きましたが、恐怖指数Vixも年初来、ゴールド以上に上昇、やはり投資家心理には不安がまだまだあるようです。ゴールド底堅いのも当然といえば当然ですね。
年初来の先物商品パフォーマンス(2016年3月1日(火)掲載分より)
先日までゴールド(16.8%)が一番だったのですが、ここに来て恐怖指数Vix(17.41%)が伸びてきています。やはりVixはある意味ゴールドとは非常に共通しているかもしれません。投資家の不安の鏡ですからね。Natural Gasは例外としても日経255(-14.86%)をはじめとする株価指数が軒並みマイナス。パフォーマンスがよい、つまり上がっているのは、ゴールド、シルバー、プラチナ以外はやはり日本円、米国債ですね。貴金属の中ではパラジウムが単独で-12.22%の下落です。