図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
日銀マイナス金利導入(2016年2月1日(月)掲載分より)
日銀の初のマイナス金利導入の発表によりドル円そして日経平均株価は乱高下、ゴールドもドル円の動きを見ながら動きになりました。最終的には株が上昇、円安へと動き、ゴールドも乱高下の末にアジアではオープンと同じレベルである1,114ドルで終わり、その後のニューヨークでも最終的には上昇1,118ドルを越えて一週間が終わりました。ETFの残高は1月6日時点の1480トンから1555トンと、一ヶ月で75トン増えたことになります。投資家のゴールドに対する資金の流入がすすんでいますね。
シルバーのLBMA Price、木曜日ほどではないにしろ、金曜日も直前のスポットマーケットより10セント安い価格で決まったようです。これ、完全に使う人が減っていくと思われます。LBMA Silver priceは14.08ですが、下のチャートでもわかるように、昨日のスポットのlowは14.168、14.08なんでどこにもありません。ちょうどこのlowの時がLBMA Silver Priceの時間ですね。
CFTC Commitments of Traders Report as of 26 Jan 2016(2016年2月1日(月)掲載分より)
投資家ロングは136トンから216トンへ増加。
LBMA Silver Priceが大きく乖離(2016年1月29日(金)掲載分より)
昨日のLBMA Silver Price (昔のSilver Fixing)の価格がその時のスポット価格から84セントも低い13.58ドルで決まりました。Auctionの始まり時のスポット価格は14.42ドルでしたが、決まった価格は13.58ドルとなりました。システム運営をしているCMEの発表によれば、これはシステムエラーではなく、普通にauctionで決まった価格であると。この価格が決まるまで29回、14分かかっており、そして決まった価格が、スポットから6%も離れていたのです。システムのエラーであればまだしも、システムが正常に動いていてついた価格であることが大きな問題です。これでは鉱山会社はもうLBMA Silver Priceを使わないのでは?だって6%も損するわけですからね。これは由々しき問題になると思います。なぜこんなことになるのか。それはおそらく5社のオークションメンバーが、純粋にカスタマーの注文をつなぐだけ、自己ポジションのオーダー基本的に入れないといったコンプライアンスの取り決めになっているのではないかと思います。(社内的なもの。マーケット操作を疑われないために。)とすると、客のオーダーがたとえば、昨日のようにAuctionでの売り(指値でなく)というものに偏った場合、それを満足させるだけの買いのオーダーは80セント下まで入っていなかったということになったのでしょう。もしメンバーが自分のポジションのオーダーを入れることができれば、当然その時のComexよりも大きくかけ離れることになるなら買いを入れてComexを売るという単純な裁定取引を行い、価格はその時にマーケット価格に収斂するはずです。行き過ぎた規制が、マーケットから流動性を奪い、結果的に参加者が大損するということになっているのではないでしょうか。繰り替えしますが、これは由々しき問題だと思います。だれもこのAuctionを使わなくなるのでは。
他のメタルも昨日は反落。やはり今週一本調子で上げた反動。やはり実需の買いも様子見です。
ハト派的FOMCを受け貴金属さらに上昇(2016年1月28日(木)掲載分より)
FOMCが終わり今朝のStatement発表がありましたが、予想通り、現在の不安定な世界の金融情勢を受けハト派的な内容で、3月と予想されていた金利上げが、少なくとも夏以降になりそうな状況とマーケットに受け取られました。それを受けて株価は下落、ゴールドをはじめとした貴金属はFOMC後にさらに急騰しました。ゴールドは高値1,128ドルと、さらなる上値を追う展開になりました。プラチナも続伸。810ドル底値予想が「めずらしく!当たりましたね~」という感想ありがとうございます。(爆)やはり年末年初での相場転換がゴールドに起き、そしてその上昇が遅ればせながらほかのメタルへも波及してきたようです。原油も乱高下ながら、26ドルでとりあえずの底打ちをみせているのもあるのでしょうが。まったく上がらなかったパラジウムもちょっと戻って500ドル。旧正月が近づきつつあり、まだしばらくはしっかりのマーケットが続きそうです。とはいうもの先週後半からほぼ一本調子に上がり続けているので、下値を買い支えてきた実需はしばらく一服となりそうですね。
貴金属続伸!(2016年1月27日(水)掲載分より)
貴金属の上昇が続いています。ゴールドはほぼ3ヶ月ぶりの高値を更新しました。アジアでは株価が再び下落、日経平均は402円(2.35%の下落)、上海総合は6.42%と久しぶりに大きな下げとなり、それに呼応してゴールドは1,108ドルから1,117ドルまで上昇。欧州では逆に株価はしっかりで、ゴールドはそこから1,110ドルまでゆっくりと下落しましたが、NY時間に入って、FOMCでの「ハト派的宣言」期待からゴールドは再び買われ、1,120ドルを越えて一時1,123ドルまで上昇、そのまま終わりました。NYでは株式も大きく上昇したのにも関わらず、ゴールドも上昇、リスクオフで始まった上昇トレンドが、もっと長期的なものになってきたようです。
プラチナも大きく続伸。810ドルで感じた底打ち感、今回はどんぴしゃだったようです。売られ過ぎていた分、今週の上昇のスピードは大きいです。ゴールドとの値差も先週一時300ドル近くまで広がりましたが、現在は245ドルと大きく縮小しました。
プラチナ上昇(2016年1月26日(火)掲載分より)
ゴールドはじわじわと上昇。特に欧米で株価が弱含みになったために上昇がすすみました。原油がふたたび30ドルを割り込みまた株価に不安が出てきました。ゴールドに対する投資家の態度は明らかに「安心」に変わっており、昨年まで減少の一途をたどっていたGOLD ETFの残高も増加に転じ、年初から45トンも買われています。個人投資家の82%、プロ投資家の65%がゴールドに対して強気に変わったという調査結果(Kitco)も出ており、明らかに昨年までのゴールドの雰囲気と変わってきています。今日からFOMCですが、個人的には年初からの株式相場の乱高下をFRBがどのように見ているのかが気になります。
昨日、「プラチナが先週810ドルで底を打ったのではないかと感じる」と書きましたが、プラチナがさらに続伸。どうも同じように感じていたのは僕だけではなかったようですね。一方パラジウムがプラチナと対象的に下落、同じPGMながらも明暗を分けていかす。ICBC Standard BankのQuarterly Report中でも、プラチナ強気、パラジウム弱気という判断が出されていました。とりあえずそれが当たっているような動きになっています。