図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

静かな動き(2015年9月11日(金)掲載分より)

日経がまた乱高下。前日の1,300円以上の上げについで今度はオープンから一時800円近い下げ。ニューヨークが下げたことが原因でしょうが、それにしても主体性のない神経質な動きです。まるで途上国の株式市場のようです。ちょっと動きすぎ。一方貴金属市場は何もなく静かな状態が続いています。

NY株価下げでメタルも下げ(2015年9月10日(木)掲載分より)

アジアは日経平均の信じられないような21年ぶりの一日の上昇幅に耳目が集まり、ゴールドをはじめとする貴金属はアジア時間帯は相変わらず静かな動きでした。株式市場は割高だと思われた日経が下げ始めたことから、おそらく思いっきりレバレッジをかけたショートがかさんでいたのでしょう。そのショートカバーが狂ったように入ったのではと思います。今一番売れているタイプのETFは、株価インデックスに対する数倍のレバレッジがかかったブル型やベア型のものだということですから。株式市場は我々が想像する以上に「賭博場」と化しているのです。それも商品先物市場なぞ比べ物にならない規模で。いまだに商品先物市場がときどき悪者扱いされるのはちょっと納得行きませんねえ。

昨日はニューヨークで株価が再び下落し、前日上昇したシルバー及びPGMが再び下落基調となり、それとともにゴールドもまた売られて1,101ドルまで下げました。一昨日上げた分を全部戻してしまいました。来週のFOMCを前にしてロングポジションも手仕舞いされているのかもしれません。

インド(2015年9月10日(木)掲載分より)

昨日インドの内閣はthe Gold Monetization SchemeとSovereign Gold Bond Schemeを了承しました。Monetization Schemeは個人もしくは団体が、認可された銀行のゴールド貯蓄口座にゴールドを預けることができます。このゴールドは地金でも宝飾品でも大丈夫で、30グラム以上ということです。支払われる金利には、所得税と譲渡所得課税がかからないという優遇措置がとられます。このゴールドは宝飾業界に貸し出されたり、金貨を作るのに使われる予定。Sovereign Gold Bondは政府が保証したゴールド債券で、期間は5年から7年。上限があり一人500gまで買うことができます。これ以外の細則はまだインド中央銀行は発表していません。問題はどれくらいの金利がオファーできるか、ですが、ゴールドの鑑定や倉庫での保管そして取引コストを考えなければなりません。現在ルピーの普通預金金利が4%、一年の定期だと8%くらいであり、ゴールド貯蓄口座やゴールドボンドの金利がこれを上回るのは非常に難しいと思われます。また田舎の人たちはまだ銀行口座さえ持っていない人が大多数で、だからこそゴールドを身につけているのです。そんな人たちがゴールドを手放して銀行に預けるとは考えづらいですね。お寺とかは可能性あるかもですが。お寺さんだけでも2,500トンくらいのゴールドを持っているらしいですから、この国は。ちなみに個人が20,000トンから25,000トンも持ってるらしいです。どの国の中央銀行よりもインド人民の方がゴールド持っているんですね。すごい!

NY Dow大幅上昇でAg/PGMが上昇(2015年9月9日(水)掲載分より)

静かな日が続きます。1,116-1,126のレンジでここ数日動いています。ドル円はchoppyに動いていますが、すべて株価、特に上海株価がらみで動いています。実需関係ではインドルピーが一昨日66.89をつけて今年で一番安くなりました。一ヶ月で4.5%下がったことになります。これによりルピー建てのゴールドは値上がりし、インドの現物需要に水をさしています。 中国では人民銀行が外貨準備を発表し、8月はゴールドを16トン買ったことになっています。7月の19トンから少し減ったことになります。中国・インドの実需はちょっと向かい風。昨日は日経は大きく続落となりましたが、上海は日経のクローズ後に急速に値を戻して2.92%上げて終わりました。連休明けのNYダウは390ドルの大幅な上げ、おそらくそのために工業用メタルであるシルバー、プラチナ、パラジウムが上昇しました。昨日の上海株の終りくらいから、すべてが上がり始めました。しばらくはこんなレンジ相場でしょうか。

NY Labor day holidayで小動き(2015年9月8日(火)掲載分より)

昨日はニューヨークlabor dayでお休みで静かなマーケットでしたが、1,116-1,125のレンジでロンドンではじわじわと下げる展開でした。大きな動きではないので、意識しにくいですが、ほぼ2週間ぶりの安値。円建ても4,300円割れは昨年の11月以来の価格レベルになります。なにげに円高が効いています。こうやってじわじわと下げていくっていうのは、いっぺん下げるよりもいやな感じがしますね。昨日の上海株価は大きな動きがなく意外としっかり。逆に日経平均の方が上海が始まるまで神経質な動きになりました。そして上海が大きく動かなかったことから日経も小動きとなりました。