図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
Au小動きPd続落(2015年6月22日(月)掲載分より)
金曜日は動きに乏しい一日でした。あらたな材料に乏しく1,200ドル前後での小動きでした。木曜日のイエレン議長のハト派的発言によるゴールドの上昇もこのあたりがどうも天井のようですね。今日はECBの緊急ミーティングが予定されており、今月30日のギリシャのIMFに対する負債返済の期日をどうするのかが注目されます。
パラジウムが続落。720ドル割れでストップの売りがまとめて出たようです。Nymexの残高も大きく減少しており、投資家のパラジウム離れが加速しており、これがこのところのパラジウムの価格下落の主因となっています。ロングが大きく減少し、逆に売りもこの辺りがそろそろ限界ではないでしょうか。700ドルはホールドされるのではと思いますが、どうでしょうか。
CFTC Commitments of Traders Report as of 16 Jun 2015(2015年6月22日(月)掲載分より)
図2.NY金価格と投資家ポジションの推移
投資家ロングは260トンで前週から変わらず。
減少が続くGold ETF、リーマンショック前のレベルに(2015年6月12日(金)掲載分より)
ETFからの流出が続いています。最大のSPDRは現在704トンと700トン割れ目前。このレベルは2008年9月の以来の低レベルでまさにリーマンショックが起きたその月です。それ以来買われたゴールドがすべて売られたということで、これは象徴的なことだと言えると思います。
Au1,200ドル、ドル安ギリシャ不安で独歩高(2015年6月19日(金)掲載分より)
FOMC後のDovishなイエレン議長のスピーチの後のドル安を受けゴールドはじわじわと上昇。東京は1,185から1,188ドルまで上昇。ロンドンに入って1,190ドルを越えたところでストップの買いが入り1,196ドルへジャンプ、その後もじわじわと上がり続け、ニューヨークでは一時1,206ドルまで上昇し、ほぼ一ヶ月ぶりの1,200ドル回復となりました。
この一ヶ月のゴールドの動きで底値は1,162ドルで結局は年初来の安値を更新することもなくまた、レンジの堅さを確認した結果となりました。ギリシャのデフォルトへの恐れが時間の経過とともに現実へと近づいており、これもまたゴールドが1,200ドル回復への動きの要因となっているのでしょう。ギリシャのIMFへの債務返済期限30日まであと二週間を切っていますが、いまだに合意に達せずにいます。
こういった状況でゴールドは上がっているわけで、実需はさっぱりです。インドも中国もプレミアムはほとんどなし、つまり、買い意欲ゼロ。東南アジアはタイバーツ安が響いてこちらもさっぱり。だから逆にこのゴールド高の要因はドル安とギリシャ不安から買われているものであり、実際の需要は関係ないです。だからゴールドだけ上がって他のメタルはおいてきぼり。プラチナとゴールドのとの値差もさらに広がって120ドル。円建てだと400円も違います。プラチナより400円高いゴールド、買いたくないですね。買うなら割安なプラチナ。(あくまで現物の話。)
FOMC終了でドル売りゴールド買い(2015年6月18日(木)掲載分より)
注目のFOMCでしたが、年内利上げの姿勢維持、16年の引き締めは緩やかに、ということで、金利の長期見通しは下方修正、それにより金利低下、ドル売りなりました。ゴールドはNYでは1,175ドル前後でしたが、今朝3時のFOMC金利発表に向けて上昇して1,180ドル、その後3:30からの記者会見でドルが大きく下げて、ゴールドは1,189ドルまで上昇、一日の終わりは1,185ドルとまたしっかりとレンジの中での動きが維持されています。円建てのゴールドはほとんど動かなくなってしまいましたね。
ただ大きく上げるような材料もなく、逆によくこのレベルを保っているなあという感じです。SPDR Gold ETFの残高は701.9トンと700トン割れ目前。そして中国では圧倒的に売りばかりという情報も入っています。
FOMC待ち(2015年6月17日(水)掲載分より)
動きませぬ。昨日のゴールドはアジアは1,185ドル中心で小動き。欧米では1,182から1,176ドルまで下落。その後また1,180ドル台まで戻して一日が終わりました。Grexit (ギリシャのユーロ脱退)が現実味を帯びてくるような状況となり、ドルが買われて今度はそれに反応してゴールドに売りが出たようです。FOMC後の金利発表が明日の朝3時。議長記者会見が朝3時半です。あかん、ランの時間とかぶってる。笑。
Au-Pt 100ドルにタッチ(2015年6月16日(火)掲載分より)
ゴールドは相変わらずレンジ内での動きが続いています。東京では1,180-1,184ドルの狭いレンジの動きでしたが、ロンドンで1,173ドルまで売られたあと1,180ドルまで戻し、ロンドンの終わりからニューヨークのオープンで今度は1,190ドルまで買われました。そして一日の引けは1,186ドル。ギリシャの債務交渉が膠着したことにより、(ミーティングは1時間もせずに物別れ)株が売られ、ゴールドがニューヨークで買われたようです。ゴールドはこの状況では売りにくいですね。
それに対して弱いのはPGM。ゴールド-プラチナスプレッドは一時100ドルを越えて、これは2013年1月以来のディスカウント。ちなみに2012年8月に223ドルというディスカウント幅がありましたが、これが史上最高の逆転幅でした。今回はどこまで行くのか、ちょっと見当がつきません。ちなみにプラチナのプレミアムの最高値は1,150ドルくらいでこれは2008年6月のリーマンショック直前の頃だったと思います。その幅なんと1,370ドル。これはこのスプレッドになんらの理論値などないことを物語る数字ですね。