図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
金曜日の雇用統計でも結果的にはレンジを破るには至りませんでした。非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想としては228,000人増加に対して223,000人の増加でわずかに予想を下回りました。ゴールドは発表の瞬間に1,193ドルまで約10ドル上げましたが、すぐに売り戻され発表前のレベルである1,183ドルへ。その後は小動きながらじわじわと上げ、一週間の引け値は1,188ドルとなり、まさに現在のレンジの中での終了となりました。まだ続きそうです。このレンジ。今回の雇用統計でFRBの金利上げの時期が12月もしくは来年にずれ込むという見方も強くなってきました。どうも一筋縄ではいかないですね。
Gold ETFが13トンもの減少、Comexの投資家ロングポジションも107トンの減少と、投資家はゴールドの売りを強めてはいるのですが、レンジを破るまでにはいたりません。
パラジウムがまた独歩高。800ドルをタッチしました。750-800ドルのレンジで、短期的には利食いどころかもしれません。長期的にはやはり750ドル割れで買って長期保有。
CFTC Commitments of Traders Report as of 05 May 2015(5月11日(月)掲載分より)
図2.NY金価格と投資家ポジションの推移
出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」5月11日掲載分より
投資家ロングは358トンから251トンと107トンの減少。
ゴールド弱含みで雇用統計待ち&Tocom Spot!(2015年5月8日(金)掲載分より)
ゴールドはこのところレンジの下辺でうろうろという感じです。下をトライさせたいという投資家が多く、売り下げるのですが、その度に壁にぶつかってショートカバーで1,200近くまで戻し、またじわじわと売られるということが何度も続いています。昨日はまたじわじわと売られて、1,180ドルまで下げました。今晩の雇用統計を前に様子見ながらもどうしても下値トライさせたいそんな雰囲気が続いています。NFP予想は231,000人。3月の数字が126,000人と予想外の低い数字だっただけにどのように改善されるのか注目が集まっています。このところのFRBのスタンスはより「雇用」の情勢を重視する姿勢になっています。雇用統計発表は今晩21:30です。予想よりよい数字が出たら1,170ドルトライになりますね、逆に3月のような悪い数字になるとまたショートカバーにより1,200ドルへ戻りとなるでしょう。ただ、ショートカバー以上に上がる可能性がそれほどないかなと思いますが。
東京ゴールドスポット100(2015年5月8日(金)掲載分より)
ゴールデンウイーク明け、昨日はTocom Gold スポット100の初日。寄り付き前からずっと見ていましたが、寄り付きは600kg(6,000枚)の商い。これは最初からいいボリューム。そして気になっていた価格はほぼ円建てゴールドそのままの価格(ちゃんとした価格ということです。)で寄り付き、日中もだいたい3~4円のディスカウントからパーくらいの動きでした。とんでもない価格がつかずちゃんと理論値に近いところでの動きになったということで初日にしては上々なスタートではないでしょうか。一日終わった出来高が12,525枚(1,252.5kg)、建玉が10,814枚(1,081.4kg)。問題はこれから、どれだけ一般投資家が入ってくるか、ですね。昨日はほとんど取引員の自己玉と海外のプロップハウスの手だと思うので。ご祝儀という分も初日だしあったと思います。これからどれくらい出来高が続いていくか、そして建玉がどのように増えていくかが注目です。地合いとしては個人投資家も十分に入ってこれるだけの流動性がとりあえずは確保できそうな感じだし、このチャンスにがっつり宣伝していきたいですね。為替やるならゴールドも、ということが可能になりました。
GW終了!(涙)相場は変化なし(2015年5月7日(木)掲載分より)
5/1の金曜日に欧米で1,168ドルまで売り込まれましたが、週末明けの月曜日5/4には1,190ドル台まで戻しました。やはり1,180ドルを割ったレベルでは実需を中心としたバーゲンハンターの買いが入り、マーケットが支えられ、下へのトライをしていたファンドもショートカバーを余儀なくされて上昇というこのところのパターンがまた再現された形です。上海でのプレミアムも2ドルから4ドルへと上昇、やはり安値が来たら買うという態度が鮮明となりました。やはりなかなか現在のレンジからどちらかに大きく抜けるというのにはまだまだ材料不足のようです。
5/4の週明けには今度は上昇、5/5には一時1,200ドルタッチとレンジの真ん中近辺での動きで、5/6には落ち着いて週末の雇用統計待ちのようなマーケットとなりました。結局ゴールデンウィーク前最後の東京の引けである5/1のマーケット較べてほとんど大きな変化がなく連休明けを迎えそうです。
イエレン議長が、「長期国債金利は非常に低い。初回の利上げをきっかけに急激に上昇する可能性がある。」と発言。金利上げに向けて地ならしをしているような発言です。4月末からじわじわと長期金利は上昇、4/27の1.9%から昨年3月上旬につけた高値の2.25%のレベルまで上がってきています。それにしてはゴールドはしっかりですね。
CFTC Commitments of Traders Report as of 28 Apr 2015(5月7日(木)掲載分より)
図3.NY金価格と投資家ポジションの推移
出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」5月7日掲載分より
投資家ロングは360トンから358トンとほとんど変化なし。レンジ取引を反映してポジションは小動き。
失業保険申請件数減少でゴールド下落(2015年5月1日(金)掲載分より)
昨日、まだしばらくレンジ内での動きが続くでしょう的なことを書いたらしっかりその日に動きましたね。笑。アジアはほとんど動かなかったのですが。失業保険申請件数が予想よりもよい数字であったことをきっかけに売りが出てそのまま1,200ドル台から一気に1180ドルまで下落一時1,176ドルまであったようです。ちょうど月曜日に大きく上げた分をそのまま同じように短い時間で下がりました。月曜日にしても今回にしても10ドル超の上げ下げを記録していますが、トレンドを変えるような大きな材料でもなく、短期的なポジションがこういうわずかな材料で買ったり売ったりしていると思われます。1,180ドルを大きく割り込むようなことがあればこれまでのレンジも崩れるかもしれませんが、そこまでは行かないようですね。昨日のように大きく下がってもそのレベルで止まるということはそこにはやはり買いがあり、まだそれを全部吸収して下がるほどのエネルギーはないようです。さてゴールデンウイークの間どうなるでしょうね。期間中の動きは7日のレポートでまとめます。また7日はTocomの新しいゴールドスポット100が始まりますね。小さく産んでいい、時間がかかってもいい、うまく軌道にのって欲しいですね。
FOMC声明も大きな波乱なし(2015年4月30日(木)掲載分より)
一昨日、ゴールドは欧米で1,205ドル近辺から1,215ドルへ10ドルジャンプ。今度は午後のLBMA gold price で大きな買いが入って10ドル上げるという先日とは逆のパターンに。イラン軍が貨物船に警告射撃をし、米軍が偵察機と駆逐艦を派遣というニュースがその背景にあったようです。そして昨夜はFOMC終了後の声明が今朝の日本時間3時でした。経済成長は冬に減速し、雇用の増加ペースが緩やかになったとして、現在の0-0.25%のFFレートの維持は適切との見方を示しました。労働市場がいっそう改善し、インフレ率が中期的に2%の目標にもどっていくと合理的に確信した場合は、FF金利の目標レンジの引き上げが適切になる。とのことです。これを受けて(上がってもおかしくないかなと思いますが、)ゴールドは1,210ドルから1,201ドルまで下げ、その後1,204ドルまで戻しています。FOMCも終わり、日本は連休、世界もメーデーがあり、まだまだレンジでの動きとなりそうです。
理由なき下げはやはり訂正、Gold 1,200回復(2015年4月28日(火)掲載分より)
昨日、金曜日の下落はわけがわからん、ストップが引っかかっただけの下げであれば訂正されるのでは、と書きましたが、まったくもってその通りのことが起きました。やっぱり理由がみつからない動きはおかしいということですな。ということで昨夜は金曜日の下げの分を全部取り戻してそれ以上に上昇。ゴールドは1,200ドルを回復しました。円建てのゴールドは4,600円とプラチナは4,400円近くとともに100円上昇しました。それぞれに4,500円/4,300円割れは買ってもいいのではと書きましたが、実際に買えた人はラッキーでしたね。
今日からFOMCが始まり、明日の東京時間朝3時に政策金利の発表となります。日本はお休みですから、明日の動きは余計に気になることになりそうですね。
CME FedWatchというレートによると、今回のFOMCで金利を上げる可能性はゼロ。最近の経済指標をみるとまあそうだろうと思われます。6月の金利上げ可能性は2.14%となっておりこれも非常に低いですね。(FF rateを現在の0-0.25%から0.5%へ上げる可能性)9月と10月ではだいぶその状況が変わってきます。9月は26%、10月は43%と俄然その可能性は高くなります。このCME FedWatchというのは、Fed Fund rates futures (30days) の価格をもとにCMEが出しているもので、FRBの金融政策(金利)の将来的変化に対する市場の見方を表すといわれています。やはり早くても年後半ですかね。