図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

ポジション整理一巡、パラジウムが大きく下落(2015年3月30日(月)掲載分より)

やはり木曜日の1,220ドルでとりあえずのポジション整理(ドルロングの売り、ゴールドショートの買い)が一巡したようです。金曜日は1,200ドルを中心として小動きに終始しました。シルバーもしっかり。逆にプラチナは若干弱く、パラジウムは大きく下落しました。これまでパラジウムは、それ以外のメタルが下がろうと独歩高だったりしたのですが、今回はその逆の動きが出ているようです。先週のほかのメタルの上昇過程でパラジウムだけ独歩安、そして金曜日には760ドルでストップと思われる売りで急落。ETFの残高も2月3月と減少の傾向が続いています。独歩高で上がってきた分のロングの利食い、ポジション整理の動きだと思われます。年初から750ドル以下はvalueだと書いてきましたが、ようやく(唐突に)そのレベルに来ました。需給と考えると長期的にはやはりパラジウムは上がるでしょう。

CFTC Commitments of Traders Report as of 24 Mar 2015(3月30日(月)掲載分より)

図2.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」3月23日掲載分より

投資家ロングは230トンからほぼ変わらず。前週までのロングポジションの減少(その背景にはショートポジションの増加があります。)がストップ。このあたりもやはり相場底打ち感があります。

とりあえずのショートカバークライマックス(2015年3月27日(金)掲載分より)

とりあえずのショートカバーのクライマックスが昨日の夕方来たのではないでしょうか。アジアは昨日はじわじわと上昇、1,195ドルから始まりましたが、引けの3時15分には1,201ドルと前日越えられなかった1,200ドルを超えて終わりました。 アジア日中にサウジアラビアと湾岸諸国がイエメンの反政府軍の爆撃を開始したことからWTI原油が49ドルから51ドルへと大きく上昇、ゴールドは原油ほどの影響はなかったですが、これがゴールドの買いを誘ったことは確実だと思います。

アジアのあとのくロンドンでは上昇に勢いがつき、1,205ドルをタッチしたところでストップ買いが出て10分間で一挙に1,220ドル寸前(高値は1,219.90)まで上昇しました。その後はドルが買い戻され、ユーロは1.1050から1.086まで下げ、ゴールドも1,200ドル台前半まで値を戻してニューヨークは終わりました。とりあえず先週のFOMC以降から始まったドルロング・ゴールドショートのポジション整理のクライマックスが昨日の上げで一段落ついたのではないかと思います。昨日はちょうどこの急騰のときに日経CNBCの番組に出ていたのですが、本番前に相場をみたら1,203ドルで、お、1,200ドル越えたなと思い、番組内でもまだドルのポジション調整(ドル売り)は続きゴールドの上値もまだもう少しあるでしょうと言ったのですが、10分ちょいの番組が終わって、相場をみたらちょうど最高値の1,220ドル挟みまで上がっていてびっくりでした。

ゴールド1,200ドルタッチ(2015年3月26日(木)掲載分より)

FOMCが終わり今朝3時から声明でした。利上げに際して「patient」の文字は削除されました。でも議長は「声明からpatient(辛抱強い)という文言を削除しただけで、我々が性急な姿勢になることはない。」と釘を刺しました。早期の利上げにはまだまだ慎重な姿勢だという判断からドルが売られ、ドル高要因で売られていた商品に大きくショートカバーが入りました。ゴールドはFOMC声明の前から1,147ドルから1,152ドルまで上昇していましたが、声明と同時に大きく上げて一時1,175ドルをつけ、その後は少し戻してGlobex終了時(東京6:15)はスポット1,167ドル近辺で終わりました。ドルインデックスは99.7から一時99.6まで下落、その後97.5レベルで終わりました。ユーロも一時1.10超えまで急騰しましたが、現在は1.085レベルまでもどしています。とりあえずは積み重なったドルロング、メタルショートのポジション整理の動きが一度に出たというところです。

London Gold Fixing最後の日(2015年3月19日(木)掲載分より)

ドル高の修正がまだ続いています。昨日はまたアジアが弱含みでしたが、欧米ではふたたびドル安・メタル高の展開になりました。NYで発表された耐久消費財受注が予想より悪かったことで、ドル・株が下落、ゴールドが一時1,190ドルから1,200ドルちょうどタッチまで上昇しました。その後は1,195ドルくらいでニューヨークが終わり、アジア時間帯が始まっています。今週前半にゴールドは1,200ドルくらいまでの戻りがあるかもと書きましたが、とりあえずそこまでは来ましたね。これ以上の上昇のためにはさらなるドル売りが必要だと思います。1,150ドル近辺で買ってた実需はこのレベルでは様子見で、ここからの積極的な買いはないと思われ、価格の上昇要因はやはり投資家のショートカバーもしくはフレッシュロングが入ってこないとだめだでしょう。株価が大きく下げて、ドルもまだ弱含みなので、その可能性も小さくないと思います。

FOMC声明でドル売り・メタル買い(2015年3月26日(木)掲載分より)

先週のPd ETFの残高減少が約50,000 oz(約1.6トン)となり、これは昨年8月以来の大きな減少量となりました。そのうちの約1トンが南アのランド建てETFです。同時にNymexの投資家ロングポジションも減少しており、このところのパラジウムの下げは投資マネーが逃げ出していることがその直接的な原因であることがわかります。いわばパラジウムが独歩高で高かったためのロングの利食い売りというところでしょう。長期的なファンダメンタルはやはりすべての貴金属の中でもっともbullishであり、ここからそれほどの下げ余地はないのではと思います。750ドル割れがあればそこは長期的に拾いどころだと考えます。

ユーロが一時1.10、ドルの調整続く(2015年3月25日(水)掲載分より)

昨日もまた同じようなアジア売り、欧米買いというパターンでしたが、全体的には静かな動きでした。アジアでは1,190ドルから1,185ドル台まで下げましたが、その後ユーロの上昇(1.10まで)とともに欧州では1,195ドルまでゴールドは上昇。その後ユーロが1.09まで下げるのとともにふたたび1,186ドルまで下げたあと、ユーロは落ち着いた後、ゴールドだけ上げて1,193ドル近辺でニューヨークは終わりました。ドルのポジション整理もだいぶ落ち着いてきたかもしれませんね。。

中国のSilver & PGM輸入量激減(2015年3月25日(水)掲載分より)

国の税関統計から、ゴールド以外のメタルの輸入量をみることができます。今年の2月の数字が非常に悪い数字になっています。特にPGMがこのところ不振な原因はここにあるのかもしれませんね。これに関してはもうちょっと調べてみて近いうちにどこかに書いてみます。

ドル上昇の調整続く(2015年3月24日(火)掲載分より)

昨日は静かな一週間のスタートとなりました。FOMC以来アジアと欧米の行動が逆になりました。アジア時間帯は1,180ドルを超えたレベルでは買いなくなり逆に若干売り戻しの動きがあります。そのため昨日もオープンが高値の1,187ドル、その後はじわじわ下げて引けは安値に近い1,182ドルでした。しかしその後欧米ではじわじわ上がる展開。ドルのLong liquidationがやはり続いており、ドル売り・メタル買いの動きとなりました。ユーロは1.95を超えて上昇、ゴールドも今朝方1,192ドルまでありました。昨日書いたとおりまだ、積み重なったドルロング・メタルショートのポジション調整が続いていますね。ドルインデックスが97を割り込んでいます。まだまだ続きそうですね。これがマーケットの中期的なトレンドの変化につながるかどうかはわかりませんが。ゴールドは今回の上げで、もっとストップがヒットされると1,200ドル回復も可能性ありと思います。

図3:NY金(左軸)とドルインデックス(右軸) 15分足
期間:2015年3月10日(火)から3月30日(月)まで
単位:NY金 ドル/トロイオンス ドルインデックス ポイント

出所:楽天証券作成