図1.NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

ショートカバー続く(2015年3月23日(月)掲載分より)

金曜日はアジアでは売られぎみでしたが、再びニューヨークでドル売り・メタル買いの動きが入りゴールドは1,188ドルまで上昇、ほぼ高値圏に近いところで一週間を終えました。相当なドルロングがまだマーケットには存在しており、FOMC後の相変わらずのイエレン議長のハト派的発言がきっかとなったポジション整理はまだ続く可能性がありますね。土曜日に発表されたCFTCのポジションは先週火曜日のFOMC前のポジションでしたが、投資家ロングは大きく減っており230トン近くまで減少。(ショートが膨らんでいる)このポジションの反動が、FOMCで出たのだと思います。

1,150ドルを大きく割り込まなかった理由はそのレベルでは非常に活発な実需の買いが入っていたことが上げられます。インド、中国そして東南アジアではゴールド現物の引き合いが強く、その買いが下値を支えていました。12年前ドルインデックスが100だったころのゴールドは380ドルでした。それを考えるとやはりゴールドは強いと感じます。とりあえず当面の下値は1,150ドル近辺で確認、ドルのポジション調整とメタルのショートがまだ残っている場合、もう少しゴールドは上昇の余地が短期的にもあるかもしれません。

また金曜日の特徴としてもう一つはシルバーが大きく上昇したことが上げられます。Gold/Silver Ratio(金銀比価)も74から70まで下落。今年に入ってからは70というのが底値になっています。絶対的レベルではまだまだシルバーは割安だと思いますが、(過去5年の平均は50くらいですね。)短期的にはこの辺りが一つの抵抗線かもしれませんね。

CFTC Commitments of Traders Report as of 17 Mar 2015(3月23日(月)掲載分より)

図2.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」3月23日掲載分より

投資家ロングは328トンから230トンへ二週連続ほぼ100トンの減少となり、7週間で440トンもの売りが出たことになります。価格も1,150ドル台まで落ち込みました。しかしこの後、FOMCにより大きくポジション調整の動きが入ったため、おそらく来週発表の数字はひさしぶりにComex投資家ロングポジションが増加する動きになると思われます。

メタル全般にしっかり(2015年3月20日(金)掲載分より)

FOMCショックで昨日の早朝大きく上がってから、アジアではさらに上昇、一時1,178ドルまでつけました。アジア時間帯は1,170ドル台を維持、しかし欧州が始まると、ある程度のポジション整理がついたこともあるのか、ドルが上昇基調になりメタルはまた売り戻される動きとなりました。ゴールドは1,160ドルまで下落しましたが、その後のニューヨークでは、ドルが強いまま(ユーロ1.06台)ゴールドに再び買いが入り、1,170ドルを回復して引けました。ドル高一辺倒から少し雰囲気が変わったようです。とりあえず当面の底値は確認したかな?

FOMC声明でドル売り・メタル買い(2015年3月19日(木)掲載分より)

FOMCが終わり今朝3時から声明でした。利上げに際して「patient」の文字は削除されました。でも議長は「声明からpatient(辛抱強い)という文言を削除しただけで、我々が性急な姿勢になることはない。」と釘を刺しました。早期の利上げにはまだまだ慎重な姿勢だという判断からドルが売られ、ドル高要因で売られていた商品に大きくショートカバーが入りました。ゴールドはFOMC声明の前から1,147ドルから1,152ドルまで上昇していましたが、声明と同時に大きく上げて一時1,175ドルをつけ、その後は少し戻してGlobex終了時(東京6:15)はスポット1,167ドル近辺で終わりました。ドルインデックスは99.7から一時99.6まで下落、その後97.5レベルで終わりました。ユーロも一時1.10超えまで急騰しましたが、現在は1.085レベルまでもどしています。とりあえずは積み重なったドルロング、メタルショートのポジション整理の動きが一度に出たというところです。

London Gold Fixing最後の日(2015年3月19日(木)掲載分より)

本日3/19日で100年近くの歴史を持つLondon Gold Fixingが最後を迎えます。明日20日からはICEのシステムでLBMA Gold Price s electronic systemによる値決めが始まります。この新しいシステムの直接参加者(Direct Participants)は誰がやるのか、Chair personは誰がやるのか、まったく発表されていません。明日の本番と同時に明らかになるようです。どうしてこんなことを最後まで公表しないのかわけがわかりませんが。。まず確実にLBMAの主要メンバーが参加するのでしょうけど、一番の注目は参加の希望をはっきりさせている中国の三銀行(中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行)が果たして最初から直接参加者として参加するのかどうかという点です。中国のゴールドマーケットに対する影響力を心配する向きも多く、この点は注目です。すべての解答は明日!

FOMC前に売り強し(2015年3月18日(水)掲載分より)

昨日はさすがにアジアの買いで上がるということはありませんでした。ほとんど動きがないような状態でした。でも欧米での売りは続き、結果的ゴールドは1,150ドルを割り込み、昨年11月7日以来4ヶ月ぶりの安値となりました。昨年一年の安値はこの日の1,232ドル。ここに近づいてきました。明日のFOMCの結果でこのレベルがbreak するのか、もしくはショートカバーで上がるのか、重要な岐路のレベルに来ています。マーケットはショートが積みあがっており、このところの好調な実需の買いもあり、ここを破るためには、よっぽどpositiveな数字が出てくる必要があると思います。FOMC後の政策金利発表は明日の朝3時、議長の会見は3時半です。僕は走ってます、その時間。笑。

PGMの下げがきついです。プラチナとゴールドのスプレッドも拡大。現在53ドル、ゴールドよりもプラチナが安くなっています。この逆転幅過去5年では、2012年8月に223ドルというのがあります。逆に同じく過去5年にプラチナのプレミアムは2010年4月に600ドルというのがありました。ゴールドとプラチナの値差関係は800ドル以上もの動きがあるということですね。これはただ単に一つのメタルの相場張ってるより大きいかもですね。今現在はやはりランドとユーロ安のダブルパンチがプラチナには効いている感じです。ゴールドはドル安だけだけど。

アジア買い欧米売り続く(2015年3月17日(火)掲載分より)

昨日もまた!同じパターンが繰り返されました。柳の下にどじょうは何匹もいたんですねえ。笑。アジアはしっかりで1,157ドルから始まり、最初は1,154ドルまで下げてから反転、午後は1,158ドル近辺でしばらくステイした後、夕方に1,164ドルまで上昇しました。しかし、その後本格的にロンドンが始まると一転して下落、また欧米は売りが強く、ニューヨークでは一時1,150ドルまで下げて、終わってみれば1,154ドルとこのところのいつものパターンで終わりました。原油がまた大きく下げ、一時42ドル台まで下げたこと、NYダウが大きく上昇したこともメタルの売りを誘ったようです。アジアで買い欧米で売りという同じことがずっと続いています。そして1,150ドルをキープしていることも同じ。FOMCが今日明日と開かれます。19日木曜日の日本時間朝3時に政策金利発表、3時半からFRB議長記者会見となります。