NFP大幅改善でドル円121円半ばに (12月8日(月)掲載分より)
金曜日の雇用統計。NFP23万人増という市場予想に対して東京時間午後10時半に発表された数字は32.1万人という予想を大きく上回るものとなりました。これに反応してドルが買われ、ドル円は一時121.50近辺まで上昇。ゴールドは1200ドルから一時1187ドルまで下落しましたが、その後ふたたび1200ドルへ戻し一週間の終わりは1192ドルということになりました。このゴールドの動きがやはりいままでと違います。本来ならこのドル安に(過剰なくらいに)反応して、もっともっと売られていたはずです。しかし上に書いたように月曜日の動きで投資家はショートすることに警戒心が出てきていると思われます。この雇用統計そしてそれに対するドルの動きでさえも、ゴールドを大きく下げることができなかったということで、やはり相当の下値警戒感が市場に存在し、ドル建てゴールドが再び安値をブレイクする可能性がきわめて低くなってきたと思います。ということは円安の流れとドル建てゴールドの下値が限られているということになり、円建てのゴールドは今週、今年の高値を更新し、今後も底堅い、高値を追う展開になりそうです。
NY金 先物 (2015年2月限)
60分足 2014年11月25日から12月8日まで
CFTC Commitments of Traders Report as of 2 Dec 2014 (12月8日(金)掲載分より)
投資家ロングは続伸。284トンから325トンへ。投資家はロングにまわってきました。
LBMA、来年1月30日を最後にGOFOの廃止を発表 (12月5日(金)掲載分より)
LBMAが来年1月末をもってGOFOを廃止すると発表しました。これはLiborと同じ仕組みで、毎日ロンドンの午前10:30に1,2,3,6, 12monthsのGold/USD swap lending rateをメンバーである銀行が持ち寄り、その中から一番高いレートと一番安いレートを除いて平均を取ったものです。メンバーはDeutsche BankとSociete Generalが脱退、現在はScotia Mocatta、Barclays、HSBC、Goldman Sachs、JP MorganそしてUBSです。Liborに問題があってから、いろいろと面倒くさくなり、メンバー銀行ももはややるメリットがなくなってきていました。Deutsche BankやSociete Generalがメンバーを辞めたのはその典型的な例だと言えるでしょう。これからgoldのforward rateはベンチマークがなくなりますね。OTCマーケットだけになるということでしょうかね。
ドル円一時120円超え(12月5日(金)掲載分より)
昨日は静かながらしっかり。ドル円が午後は119円90銭台と120円直前まで上昇しましたが、それ以上にはいかず、実際に120円をつけたのは欧米で東京の日付が変わるころでした。それに対してゴールドはほとんど反応なし。ドルの動きから本当に独立してきたようです。ドルが上がっても売られません。昨日はECBのDraghi総裁会見がありましたが、その量的緩和の過程でゴールドを買うこともあるのではないかといううわさがあったのですが、それをはっきりと否定、ユーロは結構動きましたが、ゴールドはほとんど目立った動きはありませんでした。今日は米雇用統計。市場予想はNFP23万人増。失業率は前月と同じ5.8%。このところの流れをみるとよい数字が出てゴールドが売られる下値不安よりも、悪い数字が出てゴールドが買われるインパクトの方が大きくなりそうな気がします。あまりゴールドが売られることはなさそうです。
World Platinum Investment Council (WPIC)(12月4日(木)掲載分より)
南アの6PGM鉱山会社が出資をして作ったWPICが初めてのQuarterly Reportを発表しました。http://www.platinuminvestment.comで登録するとレポートを送ってきてくれます。これは今後JM Reportに変わるものとなりそうです。
円建てゴールド4650円年初来高値を更新(12月4日(木)掲載分より)
昨日のアジアは静か。ただもう本当に底値確認したようです。ドルが上昇してもゴールドは下がらず、欧米では逆にドルとともにゴールドも買われていくということになりました。じわじわと上がってゴールドは一時1215ドルまで上昇。そしてドル円は119円80銭と120円台がすぐそこまできました。結果的に円建てゴールドは4660円と今年の高値をさらに更新しています。ドル建てゴールドが底値を打ち、円安への流れが止まらないとすれば円建てゴールドはさらなる上昇となる可能性が高いですね。今年の年初のお勧めだった円建てのゴールド、年末にきて爆発しました。4100円割れは買いと年初から言ってきましたが、そこがやっぱりどん底でしたね。
東京金 先物 先限つなぎ 左軸 (単位)グラム/円
ドル円 右軸(単位)ドル/円
日足 2014年5月27日から12月8日まで
米自動車売上11月は6%上昇(12月3日(水)掲載分より)
11月の米国の自動車売上は17.2million台となり、11月としては2003年以来最高の数字となりました。昨年同期比5.58%の増加。このところパラジウムが800ドルで支えられているのはこういう背景があったのかもしれませんね。
Au1200ドル近辺で落ち着き(12月3日(水)掲載分より)
大きく上がって始まった昨日のゴールドでしたが、アジアは若干の利食い売り。欧米では1200ドルの周りでのとても静かなマーケットとなりました。二日間あまりに動きすぎてもうわけがわからんという参加者が多くなり、動きたくないという気分を感じます。これだけの動きでGold volatility(変動率)は急騰、一時20%を超えていました。これは今年一年でみるともっとも高い数字です。確かにこの二日間の動きはちょっと異常です。今読んでいる「フラッシュボーイズ」の影響もありますが、やはりこれはコンピュータが取引をしているのでこんなとんでもないような動きになるのだと思います。余計にまっとうな投資家がマーケットを敬遠することになりそうで怖いですね。2010年5月6日、2時45分、これといった理由もなくNYダウが10分で600ドル下がったことがありました。そしてその後の数分で前より高い水準に戻したことがあり、「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれていますが、これはまさに「超高速取引(HFT)」が引き起こしたものとされています。これと同じような状況がゴールドのマーケットにも広がりつつあるのだと思います。短期で取引することのリスクは上がる一方ですね。
暴落の後の急騰(12月2日(火)掲載分より)
昨日の動きはあまりに激しくてちょっと驚きです。まず昨日は週末のスイスの国民投票の影響でしょうか、オープンと同時に大きく売り込まれました。金曜日のGlobexの終わりは1168ドルくらいのレベルでしたが、昨日の東京朝8時にオープンしたGlobexは1155ドルくらいで寄り付き、その後一時1143ドルくらいまで大きく下げました。国民投票結果への失望売りがおそらく並んでいたストップ売りを誘発したものと思われます。しかしストップがすべてfillされたあと午後は1151ドル近辺で非常に静かな動きとなりました。今年の安値レベル1140ドル近辺を再び確認したようです。そして欧米の時間帯にはじょじょに上昇をはじめ、金曜日の引け近辺(1165ドル)をブレイクしたときに今度は買いのストップが始動、1180ドルまでジャンプ、その後10ドルごとのジャンプを数回繰り返し、高値は1220ドル。昨日の安値からはなんと80ドル近く上昇する場面がありました。そこから1212ドル近辺まで戻して一日が終わりました。円建てゴールドも昨日は100円安、そしてそこから今日は200円高というすごい展開になりました。もしこれが本当の弱気相場だったらおそらく昨夜は1140ドルを割って1100ドルトライとなったはず。この大きな戻しはやはりゴールドの底値が確認されたと考えるべきではないでしょうか。これ、今後下げる場面があってももう怖くて積極的には売れないでしょう、こんなことがあると。昨日の上げはおそらく6-7割くらいはショートカバーによる踏み上げ、そして残りがフレッシュロングという感じでしょうか。(単なる僕の感覚ですが。)