NY薄商いの中急落、スイスはNo vote (12月1日(月)掲載分より)

原油価格の急落がコモディティ全体に波及する形で木曜日と金曜日がThanksgivingながら弱含みのマーケットとなりました。金曜日夜は薄商いの中ニューヨークの時間帯に原油は65ドルまで下落、4年半ぶりの安値圏となり、それを受けてゴールドも1,180ドルをヒットしたことからストップが発動され、ほぼ一週間の安値で引けることになりました。ただ時を同じくしてインドが80:20ルール(ゴールド輸入を規制するため、100輸入するとそのうち20を付加価値をつけて輸出しないと次の輸入は許されないというルール)を即日中止すると発表しました。このニュースに対する反応はまだマーケットには出ていないようですが、これはゴールドにとっては強材料であり、今回価格が下がったことにより、インドの買いが盛り上がるのではないでしょうか。9月からインドのゴールド輸入が増えていたために、規制が厳しくなるのではないかという予想をまったく裏返す決定にちょっとびっくりです。原油が大きく下がっていることによって、貿易赤字の心配も小さくなったのでしょうかね。

NY金 先物 (2015年2月限)
60分足 2014年11月18日から12月1日まで

チャート出所:楽天証券の商品先物取引ツール「Formula(フォーミュラ)」

原油急落でメタルも売られる (11月28日(金)掲載分より)

昨日はThanksgivingで、アジアも静かだろうと書いてから外出しました。そしてかえってきてびっくり。行って来いでしたが、大きく動いていました。ドル建てゴールドは1,199ドルから1,186ドルまで下げてから1,195ドルまで戻していました。そして欧州ではまた1,199ドルまで戻し。いったいなにがあったの?というところですが、OPECが原油の減産を見送ることになり、それを受けて原油が急落、おそらくその影響でゴールドも売られたのでしょう。しかしその後ゴールドはしっかり戻しましたが、再びニューヨークの時間帯に原油が急落、WTIは70ドルを割り込み2010年6月以来のレベルになっており、それによってゴールドは再び1,190ドルまで下げています。

ゴールドとWTIの動き
NY金 先物 (2015年2月限)左軸:単位トロイオンス / ドル
NY原油 先物(2015年1月限)右軸:単位バレル / ドル
ともに60分足終値 期間は2014年11月18日から12月1日まで

チャート出所:楽天証券作成

ドルと関係なく上がったゴールド今度はドルと関係なくcommodity要因で下がりました。1,180ドルがとりあえずの下値目処、ここを破るとまた1,150ドルが視野に入ってきます。ただゴールドのリースレートがタイト(forwardはdiscountが深くなってきています。)であり、ゴールド独自要因で考えるとそれほどの下があるとも思えません。あとは今週末のスイスの国民投票ですね。こちらはサプライズはないと思いますが。ま、それは日本時間の来週月曜日になりますが。

ドイツ銀行が貴金属現物取引から撤退 (11月28日(金)掲載分より)

昨年末に非鉄、エネルギー、鉄鉱石など商品の現物市場から撤退したドイツ銀行がとうとう貴金属からも撤退となりました。今年前半にGold Fixingのメンバーを辞めた同銀行ですが、本格的に撤退ということになりました。残念です。

World Platinum Investment Council (WPIC)創設(11月26日(水)掲載分より)

World Gold Council のプラチナ版の組織ができました。これは南アのプラチナ生産社大手6社が資金を出して作ったもので。その目的はよりよいプラチナのマーケットデータを供給することと、それによって結果的にプラチナへの投資を促進するというものです。www.platinuminvestment.com

金曜日中国利下げのサプライズ(11月25日(火)掲載分より)

金曜日夜、中国が予想外の金利引き下げを発表し、それを受けて貴金属は上昇。ゴールドは1,190ドルから1,200ドルを超え、一時1,208ドルと今回の戻りでの高値をつけました。ゴールドのリースレートが上昇(フォーワードがディスカウントになっており、先物よりもスポットの方が高くなっている。)しており、現物の不足が顕著になってきているという背景もあり、マーケットは下落よりも上昇のリスクが話されるようになってきています。今後1,200ドルがサポートされるようになれば、円建てのゴールドはさらに上昇する可能性が高いですね。もはや4,550円を超えて今年の高値を更新しています。

円建て金とドル円の動き
東京金 先物(期先)左軸:単位グラム / 円
ドル円 右軸:単位ドル/円
ともに日足終値 期間は2013年5月20日から2014年12月1日まで

チャート出所:楽天証券作成

イタリアのゴールド持ち帰り(11月25日(火)掲載分より)

このところ目立ってきた動きとして海外に委託保管している自国のゴールドを、持ち帰る(repatriateという単語を使います。)というものがあります。先にドイツが400トンのゴールドを自国に移送することになり話題になりましたが、先日オランダ中央銀行がその保有ゴールドの20%を米国から自国へ輸送したというニュースが出ました。オランダはそのゴールドを、11%が自国、51%が米国、20%がカナダ、18%がロンドンに保有していたということですが、これでNYは31%になりました。122トンのゴールドがNYからアムステルダムに移送されたということになります。必ずしも自国にすべてのゴールドを置いておくことが安全ではないので、他国へ委託保管しておくわけですが、(すべてのりんごを一つのかごに入れるな、ということですね。)最近は他国に預けておくということによりリスクを感じる国民が増えてきたようです。